2. 日本人の配偶者等の在留資格とは?いわゆる配偶者ビザの基本

Ⅱ 家族結婚身分系資格

日本人と結婚した外国人が日本で生活する場合、一般に「配偶者ビザ」と呼ばれる在留資格が問題になります。

正式には、在留資格「日本人の配偶者等」といいます。
この在留資格は、日本人と結婚した外国人だけでなく、日本人の実子や特別養子にも関係する在留資格です。

この記事では、「日本人の配偶者等」の基本と、申請時に確認されるポイントを整理します。


日本人の配偶者等とは

在留資格「日本人の配偶者等」に該当するのは、日本人の配偶者、日本人の特別養子、日本人の子として出生した人です。出入国在留管理庁は、該当例として、日本人の夫または妻、実子、特別養子を挙げています。在留期間は、5年、3年、1年または6月とされています。

一般に「配偶者ビザ」と呼ばれる場合、多くはこのうち「日本人の夫または妻」としての申請を指します。

ただし、法律上結婚しているだけで必ず許可されるわけではありません。
入管手続きでは、夫婦としての実体、日本での生活基盤、収入、同居予定なども確認されます。


就労制限はあるか

「日本人の配偶者等」は、身分・地位に基づく在留資格です。

就労活動の範囲については、就労系在留資格のように仕事内容が限定されるものではありません。
そのため、許可された在留資格の範囲内で、幅広い就労が可能になります。

ただし、在留資格の基礎となる身分関係、つまり日本人の配偶者としての実体が重要です。
婚姻関係が形式だけで実体を伴わない場合や、別居・離婚などが生じた場合には、在留資格への影響を検討する必要があります。


申請の種類

「日本人の配偶者等」では、状況に応じて次のような申請があります。

申請主な場面
在留資格認定証明書交付申請海外にいる配偶者を日本に呼ぶ場合
在留資格変更許可申請留学・就労などから配偶者資格へ変更する場合
在留期間更新許可申請引き続き配偶者として日本に在留する場合
在留資格取得許可申請日本で出生した子などが在留資格を取得する場合

海外にいる配偶者を呼ぶ場合と、すでに日本にいる外国人が結婚して在留資格を変更する場合では、手続きの種類が異なります。


主に確認されるポイント

日本人の配偶者等の申請では、次のような点が確認されます。

  • 法律上の婚姻が成立しているか
  • 夫婦としての実体があるか
  • 交際から婚姻に至る経緯が説明できるか
  • 同居しているか、または同居予定があるか
  • 収入・住居など生活基盤があるか
  • 過去の在留歴や婚姻歴に説明すべき点がないか
  • 提出書類の内容に矛盾がないか

特に、交際期間が短い場合、年齢差が大きい場合、離婚歴が複数ある場合、過去の在留状況に問題がある場合などは、より丁寧な説明が必要になることがあります。


必要書類の例

出入国在留管理庁の「日本人の配偶者等」の案内では、日本人配偶者の戸籍謄本、外国機関発行の結婚証明書、住民票、住民税の課税・納税証明書、質問書、身元保証書などが提出書類として示されています。

主な書類を整理すると、次のようになります。

書類内容
申請書認定・変更・更新など申請種別に応じたもの
写真所定規格の写真
戸籍謄本日本人との婚姻事実
外国の結婚証明書相手国側の婚姻事実
住民票日本での居住状況
課税証明書・納税証明書収入・納税状況
質問書交際経緯、婚姻経緯、生活状況
身元保証書日本側配偶者等による保証
夫婦関係資料写真、通信記録など

日本で発行される証明書は発行日から3か月以内のものが求められ、外国語で作成された資料には日本語訳を添付する必要があります。


よくある注意点

日本人の配偶者等の申請では、次の点に注意が必要です。

  • 日本側または外国側の婚姻手続きが完了していない
  • 戸籍に婚姻事実がまだ反映されていない
  • 外国の結婚証明書が取得できていない
  • 夫婦関係の実体を示す資料が少ない
  • 収入や住居の説明が不足している
  • 別居している理由を説明していない
  • 過去の在留状況や離婚歴の説明が不足している

配偶者ビザでは、結婚している事実だけでなく、夫婦として日本で生活する実体が重要になります。


まとめ

「日本人の配偶者等」は、日本人の配偶者、実子、特別養子などに関する在留資格です。

いわゆる配偶者ビザとして申請する場合には、法律上の婚姻関係に加えて、夫婦としての実体、日本での生活基盤、収入、住居、交際・婚姻経緯などを整理する必要があります。

身分系在留資格であるため就労制限は比較的少ない一方、在留資格の基礎となる婚姻関係の実体が重要です。


次に読みたい関連記事

  • 外国人配偶者を日本に呼ぶ手続き
  • 国際結婚と在留資格申請で注意すべきポイント
  • 配偶者ビザの更新で確認されるポイント
  • 離婚・別居した場合、在留資格はどうなるのか