Ⅳ-12. 外国人がコンサルティング会社を設立する場合の注意点

外国人が日本でコンサルティング会社を設立するケースがあります。

海外進出支援、貿易支援、マーケティング、IT、経営支援、人材関連、語学・教育関連など、コンサルティング業は幅広い分野で検討されます。

一方で、コンサルティング業は目に見える商品や店舗がないため、事業の実体、顧客、サービス内容、収益見込みを具体的に説明することが重要です。

この記事では、外国人がコンサルティング会社を設立する場合の経営・管理の注意点を整理します。


1. コンサルティング会社でも経営・管理が問題になる

外国人が日本で会社を設立し、代表者としてコンサルティング事業を経営する場合、在留資格「経営・管理」を検討します。

経営・管理は、企業等の経営者・管理者を該当例とする在留資格です。

ただし、会社を作っただけでは足りません。
実際にサービスを提供し、収益を上げる見込みがある事業として説明できる必要があります。


2. コンサルティング業で説明すべきこと

コンサルティング業では、サービスの内容が抽象的になりやすいため、次の点を具体化することが重要です。

項目内容
サービス内容何を支援するのか
対象顧客企業、個人、外国企業、日本企業など
料金体系月額、案件ごと、成功報酬など
提供方法面談、資料作成、調査、伴走支援
本人の専門性学歴、職歴、業界経験
競合との差別化言語、海外ネットワーク、専門分野
受注見込み契約書、見積書、相談実績
事務所顧客対応・業務遂行に必要な場所

「コンサルティング」とだけ記載しても、実際に何を行う事業か伝わりにくいため、具体的なサービスメニューまで整理することが望ましいです。


3. 顧客・契約見込みを示す

コンサルティング会社では、売上見込みの根拠が重要です。

たとえば、次のような資料があると説明しやすくなります。

  • 業務委託契約書
  • 基本契約書
  • 見積書
  • 発注予定書
  • 顧客とのメール
  • サービス資料
  • 過去の実績資料
  • 料金表
  • 営業計画

まだ契約がない場合でも、どのように顧客を獲得するのか、営業方法、対象市場、価格設定を具体的に説明する必要があります。


4. 事務所の必要性

コンサルティング業は、PC一台でできるように見えることがあります。

しかし、経営・管理では事業所の確保が重要です。
改正後の取扱いでは、経営活動を行うための事業所を確保する必要があり、自宅を事業所と兼ねることは原則として認められないとされています。

コンサルティング業では、次のような事務所実体を説明します。

  • 顧客との面談場所
  • 資料作成・保管場所
  • 従業員の執務スペース
  • 会社名表示
  • 継続的に利用できる契約
  • 事業用利用が認められる契約

5. 資格・許認可が必要な分野に注意

コンサルティング業の中には、他の法律で資格や許認可が必要となる分野があります。

たとえば、法律相談、税務相談、労務相談、有料職業紹介、不動産取引、金融商品取引などは、別の資格・許認可が関係することがあります。

経営・管理では、法律上資格が必要な業務について、資格を有しない者がその事業の経営・管理に従事することは別途問題になり得ます。事業に必要な許認可の取得状況等を証する資料も確認されます。


6. よくある注意点

コンサルティング会社設立では、次のような点に注意が必要です。

  • 事業内容が抽象的すぎる
  • 顧客や売上見込みが不明確
  • 本人の専門性と事業内容の関係が弱い
  • 自宅やバーチャルオフィスだけで進めようとしている
  • 許認可が必要な分野を確認していない
  • 収益モデルが曖昧
  • 業務委託ばかりで、本人の経営活動実態が弱い
  • 事業計画に数字の根拠がない

まとめ

外国人がコンサルティング会社を設立する場合、在留資格「経営・管理」を検討します。

コンサルティング業は、物販や飲食店と異なり、事業の実体が見えにくい分野です。
そのため、サービス内容、対象顧客、料金体系、契約見込み、本人の専門性、事務所、事業計画を具体的に整理することが重要です。

抽象的な事業説明ではなく、実際に誰に、何を、いくらで提供するのかを明確にすることが大切です。


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