Ⅲ-20.帰化申請の流れ|法務局での相談から申請まで

帰化申請は、申請書を作って法務局へ郵送すれば終わる手続きではありません。

原則として、住所地を管轄する法務局へ事前相談を行い、本人の国籍、家族構成、職業、在留歴等に応じた必要書類の案内を受けます。

その後、本国書類と日本国内の書類を収集し、申請書を作成し、法務局で受付を受けます。

受付後も、面接、追加資料、勤務先や住所変更等の報告が必要になります。

この記事では、法務局の予約から相談、書類収集、申請受付、面接、許可後までの流れを解説します。

1.住所地を管轄する法務局を確認する

帰化申請は、住所地を管轄する法務局又は地方法務局で行います。

全ての支局・出張所が国籍事務を扱っているわけではありません。

まず、法務局のウェブサイト等で管轄と国籍事務の取扱いを確認します。

帰化相談は予約制としている法務局が多いため、事前に電話等で予約します。

2.初回相談の準備

初回相談では、一般的に次の事項を確認されます。

・国籍
・生年月日
・在留資格
・来日時期
・出入国歴
・家族構成
・婚姻、離婚歴
・職業
・収入
・税金、年金、健康保険
・犯罪歴、交通違反
・帰化を希望する理由
・日本語能力

パスポート、在留カード、住民票、運転免許証、源泉徴収票など、法務局が指定した資料を持参します。

2026年4月以降は、日本社会への融和について、原則10年以上の在留を求める運用となっているため、相談時には在留歴を正確に整理することが重要です。
(出典:法務大臣閣議後記者会見の概要、法務省ウェブサイトより)

3.必要書類の個別案内を受ける

帰化申請に必要な書類は、全員同じではありません。

国籍、家族構成、職業、婚姻歴、日本での出生届等の有無によって異なります。

法務省も、添付書類は個人によって異なるため、申請先の法務局へ相談するよう案内しています。
(出典:帰化許可申請、法務省ウェブサイトより)

法務局によっては、複数回の相談を経て、本国書類、国内書類、申請書様式を段階的に案内することがあります。

前橋地方法務局の案内では、初回相談で条件と本国書類、次の相談で国内書類、その後に申請書の記載方法を案内する流れが例示されています。
(出典:帰化手続のながれについて、前橋地方法務局ウェブサイトより)

4.本国書類を収集する

本国書類として、次のようなものが必要になることがあります。

・国籍証明書
・出生証明書
・婚姻証明書
・離婚証明書
・親族関係証明書
・父母の婚姻関係資料
・子どもの出生証明書
・国籍離脱に関する資料

国によって書類名、発行機関、取得方法が異なります。

本国の役所、大使館、領事館、親族を通じて取得する場合があります。

外国語書類には、日本語訳を付けます。

5.日本国内の書類を収集する

国内書類には、次のようなものがあります。

・住民票
・戸籍関係資料
・出生届等の記載事項証明書
・課税証明書、納税証明書
・源泉徴収票
・在勤及び給与証明書
・確定申告書
・年金、健康保険資料
・運転記録証明書
・預貯金資料
・不動産資料
・会社の登記事項証明書
・事業許可証

証明書には有効期間があるため、取得時期を調整することが重要です。

6.申請書を作成する

帰化申請では、次のような様式を作成します。

・帰化許可申請書
・親族の概要
・履歴書その1、その2
・出入国歴表
・帰化の動機書
・生計の概要
・事業の概要
・自宅付近の略図
・勤務先付近の略図

東京法務局は、これらのWord様式を公開しています。
(出典:帰化許可申請書類等、東京法務局ウェブサイトより)

記載内容は、住民票、パスポート、税証明、本国書類等と一致させます。

7.書類点検を受ける

収集・作成した書類を法務局へ持参し、内容の確認を受けます。

不備がある場合は、追加取得や修正を求められます。

帰化申請では、原本と写しの両方が必要となることがあります。

東京法務局は、2026年4月1日現在、提出書類について正本のほか副本も必要と案内しています。
(出典:帰化許可申請書に添付する書類、東京法務局ウェブサイトより)

管轄法務局の指示に従って準備します。

8.本人が申請する

15歳以上の申請者は、本人が法務局へ出頭し、担当職員の面前で署名して申請します。

15歳未満の場合は、親権者等の法定代理人が申請します。
(出典:帰化許可申請、法務省ウェブサイトより)

行政書士へ依頼している場合でも、本人出頭は必要です。

9.面接と追加資料

申請受付後、面接が行われることがあります。

面接では、書類だけでは分からない事項について確認されます。

・帰化の意思
・家族関係
・仕事
・収入
・日本での生活
・出入国歴
・交通違反
・日本語能力
・申請書の記載内容

配偶者が面接対象になる場合もあります。

審査中に追加資料を求められた場合は、期限内に提出します。

10.申請後の変更は法務局へ報告する

帰化申請後、次のような変更があった場合は、速やかに法務局へ連絡します。

・住所、連絡先の変更
・婚姻、離婚、出生、死亡、認知、養子縁組
・在留資格、在留期間の変更・更新
・海外出国と再入国
・交通違反、刑事事件
・勤務先、職業の変更
・収入の大きな変化

帰化許可申請の手引でも、これらの変更を法務局へ連絡するよう案内されています。
(出典:帰化許可申請のてびき、東京法務局ウェブサイトより)

11.審査期間

帰化申請には、全国一律の標準処理期間は公表されていません。

国籍、家族構成、書類内容、追加調査等によって期間は異なります。

前橋地方法務局では、初回相談から許可・不許可の決定まで、最短でも1年6か月程度かかる例を案内しています。
(出典:帰化手続のながれについて、前橋地方法務局ウェブサイトより)

これは一つの法務局の目安であり、全国一律の期間ではありません。

12.許可後の手続き

帰化が許可されると官報に告示されます。

その後、法務局から交付される書類を受け取り、市区町村へ帰化届を提出して戸籍を作ります。

続いて、在留カード返納、運転免許証、銀行、勤務先、保険、年金、不動産等の名義変更を行います。

13.まとめ

帰化申請は、法務局への事前相談から始まり、書類収集、申請書作成、本人申請、面接、追加資料、許可後の戸籍手続きへ進みます。

・住所地を管轄する法務局を確認する
・相談は予約制の場合が多い
・必要書類は国籍、職業、家族構成によって異なる
・本国書類と国内書類を収集する
・申請書類は証明資料と一致させる
・15歳以上は本人が申請する
・受付後に面接や追加資料がある
・申請後の変更や違反は法務局へ報告する
・許可後は戸籍作成と各種変更手続きを行う

帰化申請は長期間にわたるため、書類収集だけでなく、申請後の生活変更も含めた継続的な管理が重要です。

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参考資料・出典

帰化許可申請 法務省ウェブサイトより
帰化手続のながれについて 前橋地方法務局ウェブサイトより
帰化許可申請書類等 東京法務局ウェブサイトより
帰化許可申請のてびき 東京法務局ウェブサイトより
法務大臣閣議後記者会見の概要 法務省ウェブサイトより