Ⅴ-18. 短期滞在から中長期在留へ切り替えたい場合の注意点

観光、商用、親族訪問などで「短期滞在」として来日している方が、その後、日本で中長期間生活したいと考える場合があります。

しかし、短期滞在から他の在留資格への変更は、原則として簡単には認められません。

この記事では、短期滞在から中長期在留へ切り替えたい場合の注意点を整理します。


短期滞在とは

短期滞在は、観光、親族訪問、短期商用など、一時的な滞在を目的とする在留資格です。

短期滞在は、日本で中長期間生活したり、就労したりすることを前提とする在留資格ではありません。

そのため、短期滞在で来日した後に、そのまま日本で別の在留資格へ変更したい場合には、慎重な検討が必要です。


短期滞在からの変更は原則として認められにくい

出入国在留管理庁のQ&Aでは、「短期滞在」からの在留資格変更について、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとされており、原則として認められないと説明されています。中長期間の在留を希望する場合には、地方出入国在留管理局等に在留資格認定証明書交付申請を行うことが案内されています。

つまり、短期滞在中に「日本に残りたい」と考えた場合でも、通常は一度帰国し、在留資格認定証明書交付申請や査証申請を経て来日する流れを検討します。


在留資格認定証明書が出ても当然に変更できるわけではない

短期滞在中に在留資格認定証明書が交付されたとしても、それだけで「やむを得ない特別の事情」に該当するわけではありません。

出入国在留管理庁のQ&Aでも、単に日本滞在中に在留資格認定証明書が交付されたことをもって、やむを得ない特別の事情に該当するものではないとされています。

そのため、短期滞在から変更する場合には、なぜ一度出国して通常の手続きを取れないのか、個別事情の説明が重要になります。


変更が問題になりやすいケース

短期滞在から中長期在留への切替えが問題になるケースには、次のようなものがあります。

ケース検討ポイント
日本人と結婚した婚姻成立、夫婦実体、特別事情
子どもが出生した親子関係、監護、在留資格取得
就職先が決まった原則は認定証明書交付申請を検討
家族を呼び寄せたい家族滞在や配偶者資格の要件確認
病気・介護がある人道上の事情の整理
会社設立した経営・管理の要件確認

ただし、どのケースでも「短期滞在から変更できる」と決まっているわけではありません。
個別事情と資料によって判断されます。


短期滞在中に就労はできるか

短期滞在は、原則として就労を目的とする在留資格ではありません。

商談、会議、契約交渉、短期の業務連絡などは短期商用として認められることがありますが、日本国内で継続的に報酬を受けて働くことはできません。

短期滞在で来日した人をそのまま雇用したい場合には、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更の可否を慎重に検討する必要があります。


短期滞在中の出国にも注意

短期滞在の方は、みなし再入国許可の対象ではありません。

出入国在留管理庁のQ&Aでは、「短期滞在」の方は、原則として再入国許可が認められず、みなし再入国許可の対象にもならないとされています。短期滞在中に一度出国すると、次に日本へ入国する際は新規入国として扱われます。

短期滞在中に一時出国を予定している場合には、再入国できる前提で予定を組まないよう注意が必要です。


よくある注意点

短期滞在から中長期在留へ切り替えたい場合には、次の点に注意が必要です。

  • 短期滞在から自由に変更できると思っている
  • 日本で就職先が決まればそのまま働けると考えている
  • 在留資格認定証明書が出れば変更できると誤解している
  • 短期滞在中に働き始めてしまう
  • 在留期限が近いのに準備を始めていない
  • 特別事情を説明する資料がない
  • みなし再入国許可が使えると思っている
  • 短期滞在の更新も簡単だと考えている

短期滞在に係る在留期間の更新についても、人道上の真にやむを得ない事情またはこれに相当する特別な事情がある場合に認められるものと案内されています。


まとめ

短期滞在から中長期在留への切替えは、原則として簡単には認められません。

中長期間の在留を希望する場合には、通常、在留資格認定証明書交付申請や在外公館での査証申請を検討します。

短期滞在中に変更を希望する場合には、やむを得ない特別の事情があるか、在留資格の要件を満たすか、資料で説明できるかを慎重に確認する必要があります。


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