Ⅲ-5. 家族全員で永住申請をする場合の進め方

Ⅲ 永住申請

永住申請は、本人だけでなく、配偶者や子どもを含めて家族全員で申請することがあります。

家族全員で永住を希望する場合には、主たる生計維持者の収入、家族構成、扶養関係、子どもの在留資格、納税・年金・健康保険の状況などを整理する必要があります。

この記事では、家族全員で永住申請をする場合の進め方を整理します。


家族全員で申請する場合の基本

家族全員で永住申請をする場合でも、申請人は一人ひとりです。

つまり、配偶者や子どもも、それぞれ永住許可申請を行う必要があります。

ただし、家族の場合には、収入や扶養関係、住民票、税金、保険などが重なっているため、資料を一体として整理することが多くあります。

出入国在留管理庁の提出書類案内でも、就労資格や家族滞在からの永住申請について、申請人を含む家族全員の住民票、申請人または扶養者の職業・所得・納税・年金・医療保険資料が示されています。


誰を主たる申請者として考えるか

家族全員で申請する場合、実務上は、主たる生計維持者を中心に考えることが多くあります。

たとえば、次のようなケースです。

家族構成確認の中心
父が就労ビザ、母と子が家族滞在父の収入・在留状況
夫婦とも就労ビザ夫婦それぞれの収入・在留状況
日本人配偶者の外国人配偶者と子婚姻関係・子の身分関係
永住者の配偶者と子永住者との身分関係・生活基盤

家族の中で、誰が収入を得ているのか、誰が扶養されているのかによって、準備する資料が変わります。


子どもの在留資格と永住申請

家族全員で永住申請する場合、子どもの在留資格も確認が必要です。

子どもが「家族滞在」で在留している場合、扶養者である親の収入や在留状況が重要になります。

また、日本で出生した永住者・特別永住者の子など、身分関係に応じて別の整理が必要になる場合もあります。

子どもについては、次の点を確認します。

  • 現在の在留資格
  • 出生場所
  • 親子関係を証明する資料
  • 年齢
  • 就学状況
  • 扶養関係
  • 日本での在留年数

子どもの年齢や在留状況によっては、親と同時申請するか、時期を分けるかを検討することもあります。


収入と扶養人数のバランス

家族全員で永住申請をする場合、特に重要なのが、収入と扶養人数のバランスです。

主たる生計維持者の収入があっても、扶養家族が多い場合には、日本で安定して生活できるかを確認されます。

確認すべき点は次のとおりです。

  • 世帯全体の収入
  • 扶養家族の人数
  • 配偶者の収入の有無
  • 子どもの人数・年齢
  • 住居費
  • 教育費
  • 預貯金
  • 親族からの支援の有無

永住許可のガイドラインでは、独立生計要件として、公共の負担にならず、将来において安定した生活が見込まれることが示されています。


納税・年金・健康保険の確認

家族申請では、主たる収入者だけでなく、申請人や扶養者の納税・年金・健康保険の状況を確認します。

就労資格からの申請では、直近5年分の住民税資料、国税の納税証明、過去2年間の年金・健康保険資料が案内されています。

家族全員で申請する場合には、次の点を確認します。

  • 扶養者の住民税納付状況
  • 配偶者に収入がある場合の納税状況
  • 国民年金・厚生年金の加入状況
  • 健康保険の加入状況
  • 転職・退職期間の保険切替え
  • 国民健康保険料の納付状況

家族のうち一人に未納や納付遅れがある場合、申請全体に影響する可能性があります。


同時申請と別申請

家族全員が同時に申請できる場合もあれば、時期を分けた方がよい場合もあります。

たとえば、次のような場合です。

状況検討の方向性
親の収入・納税状況が安定している家族同時申請を検討
子どもの在留年数が短い子どもの要件を確認
配偶者の納税に問題がある申請時期を分けることも検討
主たる収入者が転職直後収入安定後の申請を検討
家族の在留期限がばらばら更新時期も含めて調整

同時申請が必ず有利というわけではありません。
家族それぞれの在留資格、在留期間、納税状況を確認して進めることが重要です。


よくある注意点

家族全員で永住申請をする場合には、次の点に注意が必要です。

  • 家族全員が同じ条件で申請できると思っている
  • 主たる収入者の収入だけを見ている
  • 扶養人数とのバランスを確認していない
  • 子どもの在留資格や出生場所を整理していない
  • 配偶者の納税・年金状況を確認していない
  • 家族の在留期限がばらばらである
  • 同時申請すべきか分けるべきか検討していない
  • 住民票や扶養関係の記載に不整合がある

まとめ

家族全員で永住申請をする場合、一人ひとりの在留資格や要件を確認しつつ、世帯全体の収入、扶養関係、納税、年金、健康保険を整理する必要があります。

特に重要なのは、次の点です。

  • 主たる生計維持者の収入が安定しているか
  • 扶養家族を含めて生活できるか
  • 家族それぞれの在留資格・在留期間に問題がないか
  • 納税・年金・健康保険に未納や遅れがないか
  • 子どもの在留資格や親子関係を整理しているか
  • 同時申請か別申請かを検討しているか

家族全員で永住を目指す場合には、個人単位と世帯単位の両方から準備することが大切です。


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