Ⅱ-11.年齢差・再婚歴がある国際結婚で確認されやすいポイント

国際結婚の在留資格申請では、「年齢差が大きいと不許可になりますか」「再婚歴があると配偶者ビザの審査で不利になりますか」という相談を受けることがあります。

たとえば、次のようなケースです。

・夫婦の年齢差が20歳以上ある
・日本人配偶者に離婚歴がある
・外国人配偶者に離婚歴がある
・双方とも再婚である
・前婚の子どもがいる
・過去にも外国人配偶者の在留資格申請をしたことがある
・結婚紹介所やSNSで知り合った
・交際期間が短い上に年齢差が大きい

結論からいえば、年齢差や再婚歴があること自体で、直ちに在留資格「日本人の配偶者等」が不許可になるわけではありません。

年齢差が大きい夫婦も、再婚同士の夫婦も、真実の婚姻であり、夫婦としての実体があれば、在留資格申請を検討することは可能です。

ただし、年齢差や再婚歴がある場合には、婚姻の実体、交際経緯、生活の安定性、前婚との関係などについて、通常より丁寧な説明が必要になることがあります。

この記事では、年齢差や再婚歴がある国際結婚で、入管審査において確認されやすいポイントを解説します。

なお、一般には「配偶者ビザ」と呼ばれることがありますが、この記事では、正確な制度上の用語として、主に在留資格「日本人の配偶者等」と表記します。

1.年齢差・再婚歴だけで不許可になるわけではない

在留資格「日本人の配偶者等」は、日本人の配偶者、日本人の特別養子、日本人の子として出生した人を対象とする在留資格です。

出入国在留管理庁の在留資格一覧表では、「日本人の配偶者等」は、日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者を対象とし、在留期間は5年、3年、1年又は6月とされています。
(出典:在留資格一覧表、出入国在留管理庁ウェブサイトより)

この在留資格の基本は、日本人との法律上有効な婚姻関係と、夫婦としての実体です。

年齢差が何歳までならよい、再婚歴が何回までならよいという明確な基準があるわけではありません。

しかし、年齢差や再婚歴は、婚姻の経緯や実体を確認するうえで、入管が注目しやすい事情の一つです。

そのため、年齢差や再婚歴がある場合には、次の点を丁寧に説明する必要があります。

・どのように知り合ったのか
・なぜ結婚を決めたのか
・年齢差を双方がどのように理解しているのか
・双方の家族は結婚を知っているのか
・前婚の離婚は成立しているのか
・前婚の子どもや養育費の問題は整理されているのか
・結婚後の生活設計が具体的か

2.年齢差がある場合に確認されやすいこと

年齢差が大きい場合、入管審査では、夫婦として自然な関係があるかどうかが確認されやすくなります。

たとえば、次のような点です。

・出会いの経緯
・交際期間
・実際に会った回数
・共通言語
・日常的な連絡方法
・双方の家族への紹介状況
・結婚を決めた理由
・相手の生活状況をどの程度理解しているか
・結婚後の住居、収入、生活設計

年齢差が大きいからといって、直ちに不自然とされるわけではありません。

しかし、交際期間が短い、会った回数が少ない、共通言語が乏しい、金銭のやり取りが多い、紹介業者が関与しているなど、他の事情と重なる場合には、より慎重に見られることがあります。

このような場合には、出会いから結婚までの経緯を、時系列で具体的に説明することが重要です。

3.再婚歴がある場合に確認されやすいこと

再婚歴がある場合には、前婚が法律上終了しているか、現在の婚姻が有効に成立しているかがまず重要です。

日本人配偶者の戸籍謄本には、婚姻や離婚に関する記載が反映されることがあります。

在留資格「日本人の配偶者等」の提出書類では、日本人配偶者の戸籍謄本について、申請人との婚姻事実の記載があるものが必要とされ、婚姻事実の記載がない場合には、戸籍謄本に加えて婚姻届出受理証明書の提出が案内されています。
(出典:在留資格「日本人の配偶者等」・外国人の方が日本人の配偶者である場合、出入国在留管理庁ウェブサイトより)

外国人配偶者に再婚歴がある場合には、外国側の離婚証明書、婚姻要件具備証明書、結婚証明書などが問題になることがあります。

国によっては、離婚の成立時期、再婚可能時期、婚姻登録の方法が異なります。

そのため、前婚がある場合には、次の点を確認します。

・前婚の離婚が法律上成立しているか
・離婚証明書を取得できるか
・本国側で現在の婚姻が有効に登録されているか
・前配偶者との関係が整理されているか
・前婚の子どもがいるか
・養育費や親権の問題があるか
・今回の婚姻までの期間が不自然に短くないか

国際結婚では、日本法だけでなく、相手国の婚姻要件や証明書も関係します。法務省民事局のQ&Aでも、国際結婚や海外での出生等に関する戸籍の取扱いが案内されています。
(出典:国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&A、法務省ウェブサイトより)

4.過去に外国人配偶者の申請歴がある場合

日本人配偶者に過去の国際結婚歴があり、以前にも外国人配偶者の在留資格申請をしたことがある場合には、入管審査で確認されやすくなります。

たとえば、次のようなケースです。

・過去にも外国人配偶者を日本に呼んだことがある
・前婚も国際結婚だった
・前配偶者との離婚後、短期間で再婚している
・複数回、外国人配偶者との婚姻・離婚を繰り返している
・過去の申請で不許可、不交付、不自然な点があった

このような場合、現在の婚姻が真実の婚姻であることを、より丁寧に説明する必要があります。

過去の結婚歴を隠す必要はありません。

むしろ、戸籍や入管記録で確認できる事情を隠すと、申請全体の信用性を損なう可能性があります。

5.年齢差と交際期間の短さが重なる場合

年齢差が大きいことに加えて、交際期間が短い場合は、特に注意が必要です。

たとえば、次のようなケースです。

・年齢差が大きく、知り合って数か月で結婚した
・実際に会った回数が1回から2回程度である
・オンラインでのやり取りが中心である
・共通言語が十分ではない
・相手の家族に会ったことがない
・結婚紹介所を通じて知り合った

このような場合でも、真実の婚姻であれば申請は可能です。

ただし、交際経緯、結婚を決めた理由、夫婦としての意思疎通、家族への紹介状況を、通常より詳しく説明する必要があります。

出入国在留管理庁の提出書類では、夫婦間の交流が確認できる資料として、スナップ写真、SNS記録、通話記録などが案内されています。
(出典:在留資格「日本人の配偶者等」・外国人の方が日本人の配偶者である場合、出入国在留管理庁ウェブサイトより)

年齢差や交際期間の短さを不利な事情として隠そうとするのではなく、夫婦として自然な関係があることを資料で示すことが重要です。

6.前婚の子どもがいる場合

再婚歴がある場合、前婚の子どもがいることもあります。

この場合、在留資格申請では、次の点を確認しておく必要があります。

・前婚の子どもと同居しているか
・養育費を負担しているか
・親権者は誰か
・現在の配偶者がその事情を理解しているか
・結婚後の生活費に影響があるか
・外国人配偶者の連れ子を日本に呼ぶ予定があるか

特に、外国人配偶者に前婚の子どもがいて、その子どもを日本に呼びたい場合には、配偶者本人の申請とは別に、子どもの在留資格を検討する必要があります。

連れ子の場合、年齢、扶養状況、親子関係、今後の養育方針などが問題になります。

このテーマは、別の記事「外国人配偶者の連れ子を日本に呼ぶ場合の在留資格」で詳しく扱います。

7.生活の安定性も確認される

年齢差や再婚歴がある場合でも、婚姻実体だけでなく、日本での生活の安定性が確認されます。

出入国在留管理庁の提出書類では、日本での滞在費用を証明する資料として、滞在費用を支弁する方の直近1年分の住民税課税証明書及び納税証明書などが案内されています。
(出典:在留資格「日本人の配偶者等」・外国人の方が日本人の配偶者である場合、出入国在留管理庁ウェブサイトより)

再婚歴がある場合には、前婚の子どもの養育費、住宅ローン、扶養家族の有無などにより、生活費の見通しが問題になることがあります。

収入が十分でない場合は、預貯金、親族援助、就職予定、住居費負担の軽減など、生活を維持できる事情を補足することが重要です。

8.理由書で説明した方がよい内容

年齢差や再婚歴がある場合には、通常の質問書に加えて、理由書を作成することが有効な場合があります。

理由書では、次のような点を整理します。

・出会いの経緯
・交際開始から結婚までの流れ
・年齢差を双方がどう受け止めているか
・家族や友人への紹介状況
・前婚の離婚が成立していること
・前婚の子どもや養育費の状況
・現在の婚姻が真実であること
・結婚後の生活予定
・住居、収入、扶養関係
・将来の生活設計

重要なのは、年齢差や再婚歴を「問題ではありません」とだけ書くことではありません。

第三者が読んでも、夫婦としての関係が自然に理解できるように、事実を時系列で説明することです。

9.不自然に見えやすいケース

年齢差や再婚歴がある国際結婚で、特に注意が必要なのは次のようなケースです。

・年齢差が大きく、交際期間も短い
・実際に会った回数が少ない
・紹介業者が関与している
・金銭の授受がある
・日本人配偶者に複数回の国際結婚歴がある
・前婚の離婚後すぐに再婚している
・前婚の事情を十分に説明できない
・外国人配偶者の過去の在留状況に問題がある
・双方の家族が結婚を知らない
・同居予定や生活計画が不明確

これらの事情がある場合でも、直ちに不許可になるわけではありません。

しかし、申請書類上、説明が不足していると、不自然な婚姻と見られる可能性があります。

10.まとめ

年齢差や再婚歴がある国際結婚でも、在留資格「日本人の配偶者等」の申請は可能です。

年齢差があること、再婚であること自体が、不許可理由になるわけではありません。

しかし、これらの事情がある場合には、入管審査で婚姻の実体や交際経緯が慎重に確認されやすくなります。

特に重要なのは、次の点です。

・法律上有効な婚姻が成立していること
・夫婦としての実体があること
・年齢差を含めた交際経緯を自然に説明できること
・再婚の場合、前婚が法律上終了していること
・前婚の子ども、養育費、生活費への影響を整理していること
・夫婦間の交流資料を準備できること
・生活の安定性を説明できること
・不利に見える事情を隠さず、合理的に説明すること

年齢差や再婚歴がある場合ほど、資料と説明の整合性が重要です。

婚姻届が受理されているという形式面だけでなく、夫婦としてどのように出会い、どのように関係を深め、どのように生活していくのかを、具体的に示すことが大切です。

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参考資料・出典

在留資格一覧表 出入国在留管理庁ウェブサイトより
在留資格「日本人の配偶者等」 出入国在留管理庁ウェブサイトより
在留資格「日本人の配偶者等」・外国人の方が日本人の配偶者である場合 出入国在留管理庁ウェブサイトより
国際結婚、海外での出生等に関する戸籍Q&A 法務省ウェブサイトより
在留資格認定証明書交付申請 出入国在留管理庁ウェブサイトより
出入国管理及び難民認定法 e-Gov法令検索より