Ⅳ-13. 留学生が卒業後に起業する場合の在留資格変更

日本の大学や専門学校で学んだ留学生が、卒業後に日本で起業したいと考えるケースがあります。

留学生が卒業後に会社を設立し、経営者として日本に在留する場合、在留資格「留学」のまま事業を継続することはできません。
通常は、在留資格「経営・管理」への変更、または起業準備のための特定活動などを検討します。

この記事では、留学生が卒業後に起業する場合の在留資格変更の注意点を整理します。


1. 留学のまま起業活動を続けられるわけではない

在留資格「留学」は、日本の教育機関で学ぶための在留資格です。

卒業後に日本で会社を経営する場合、活動内容が変わるため、在留資格変更を検討する必要があります。

留学
↓ 卒業
起業・会社経営を希望

経営・管理への変更
または起業準備活動のための特定活動を検討

卒業後も「留学」のまま事業経営を続けることは、在留資格上の活動と合わなくなる可能性があります。


2. 直接、経営・管理へ変更する場合

卒業時点で、すでに会社設立、事務所、資本金、常勤職員、事業計画などの要件を整えられる場合は、在留資格「経営・管理」への変更を検討します。

経営・管理では、令和7年10月16日施行の改正後、1人以上の常勤職員雇用、3,000万円以上の資本金等、日本語能力、経営者の経歴、専門家確認を受けた事業計画書などが重要になっています。

留学生が卒業直後にこれらをすべて整えるのは簡単ではありません。
そのため、起業準備制度の活用を検討することがあります。


3. 起業準備のための特定活動

日本の大学等を卒業した留学生については、起業活動を行うための特定活動が問題になる場合があります。

出入国在留管理庁の案内では、本邦の大学等を卒業して起業活動を希望する方について、在留資格「留学」で本邦の大学の学部または大学院を卒業・修了した者であること、在学中から起業活動を開始し大学が推薦する者であること、事業計画書が作成されていることなどが要件として示されています。

この制度は、卒業後すぐに経営・管理の要件をすべて満たせない場合に、一定期間、起業準備を行うための選択肢となります。


4. 留学生起業で確認すべき事項

留学生が卒業後に起業する場合、次の点を確認します。

確認項目内容
卒業状況卒業・修了見込み、成績、素行
起業内容事業内容、対象顧客、収益モデル
資金資本金、出資者、運転資金
事務所事業所の確保見込み
常勤職員雇用予定、対象者
事業計画具体性、合理性、実現可能性
大学推薦起業準備制度を使う場合
在留期限卒業後の期限管理

5. 在学中から準備することが重要

卒業後に起業したい場合、卒業間際に準備を始めると間に合わないことがあります。

在学中から、次のような準備を進めることが望ましいです。

  • 事業アイデアの具体化
  • 市場調査
  • 資金計画
  • 共同創業者・出資者の検討
  • 事務所候補の確認
  • 大学の起業支援制度の確認
  • 事業計画書の作成
  • 在留期限の確認

起業準備制度を利用する場合も、大学の推薦や事業計画が必要になるため、早めの相談が重要です。


6. よくある注意点

留学生の卒業後起業では、次のような点に注意が必要です。

  • 卒業後も留学のまま起業できると思っている
  • 経営・管理の要件を卒業後に初めて知る
  • 資本金・常勤職員の準備ができていない
  • 事務所を確保していない
  • 事業計画がアイデア段階にとどまっている
  • 在留期限が迫ってから準備を始める
  • 大学推薦や起業準備制度の確認をしていない

まとめ

留学生が卒業後に日本で起業する場合、在留資格「留学」のまま事業経営を続けることはできません。

経営者として日本に在留するには、経営・管理への変更、または起業準備のための特定活動などを検討します。

卒業後の起業は、会社設立、資金、事務所、常勤職員、事業計画、大学推薦、在留期限が関係します。
在学中から早めに準備を進めることが大切です。


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