在留資格申請では、専門用語として「該当性」「基準適合性」「相当性」という言葉が出てくることがあります。
少し難しく感じる言葉ですが、これらは在留資格申請を理解するための重要な考え方です。
簡単にいえば、次の3つです。
- その在留資格に当たるか
- 必要な基準を満たしているか
- 許可してよい事情があるか
この記事では、該当性・基準適合性・相当性の違いを、申請する方や企業・家族の方にも分かりやすく整理します。
3つの判断軸の全体像
在留資格申請では、次の順番で考えると理解しやすくなります。
① 該当性
└─ その活動・身分が在留資格に当たるか
② 基準適合性
└─ その在留資格に必要な具体的基準を満たすか
③ 相当性
└─ 許可してよい事情があるか
この3つは、それぞれ確認している内容が異なります。
| 判断軸 | 確認する内容 | 例 |
|---|---|---|
| 該当性 | 在留資格の活動・身分に当たるか | 技人国の対象業務か |
| 基準適合性 | 省令等の基準を満たすか | 学歴・職歴・報酬など |
| 相当性 | 許可してよい事情があるか | 在留状況、納税、素行など |
該当性とは「その資格に当たるか」
該当性とは、申請しようとしている在留資格に、本人の活動や身分が当てはまるかという確認です。
たとえば、技術・人文知識・国際業務で申請する場合、予定する仕事が専門的・技術的業務や国際業務に当たるかを確認します。
日本人の配偶者等で申請する場合は、日本人との婚姻関係や親子関係があるかを確認します。
該当性がなければ、その在留資格で申請することは難しくなります。
基準適合性とは「要件を満たすか」
基準適合性とは、その在留資格に必要な具体的な基準を満たしているかどうかという問題です。
特に就労系在留資格では、本人の学歴、職歴、報酬、雇用契約、会社の実態などが問題になります。
出入国在留管理庁の変更・更新ガイドラインでは、上陸許可基準について、原則として適合していることが求められるとされています。
たとえば、技術・人文知識・国際業務では、業務内容が専門的であるだけでなく、本人の学歴・職歴と業務との関係、報酬、契約内容なども確認されます。
在留資格に当たる活動であっても、必要な基準を満たしていない場合は、申請が難しくなります。
相当性とは
相当性とは、在留資格の変更や更新を許可してよい事情があるかという確認です。
変更申請では、在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があることが求められます。
更新申請でも、在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があることが審査基準として示されています。
たとえば、次のような事情が見られることがあります。
- これまで適正に在留していたか
- 現在の在留資格に合った活動をしていたか
- 納税や社会保険に問題がないか
- 転職・退職・離婚などの届出をしているか
- 申請内容と実態に矛盾がないか
技人国を例にした整理
「技術・人文知識・国際業務」を例にすると、次のようになります。
| 判断軸 | 確認内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 該当性 | 業務が技人国に当たるか | 通訳、海外営業、設計、マーケティング等 |
| 基準適合性 | 本人の経歴や報酬が基準に合うか | 学歴・職歴、報酬、契約 |
| 相当性 | 許可してよい事情があるか | 在留状況、届出、会社実態、申請内容の整合性 |
たとえば、海外営業として採用する場合でも、実際の業務が倉庫作業や梱包作業中心であれば、該当性が問題になります。
業務は専門的でも、本人の専攻や職歴との関係が説明できなければ、基準適合性が問題になります。
さらに、変更や更新では、過去の在留状況や届出漏れなどが相当性に影響することがあります。
申請種類による違い
認定申請、変更申請、更新申請では、重視されるポイントが少し異なります。
| 申請種類 | 特に確認されやすい点 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 該当性・基準適合性 |
| 在留資格変更許可申請 | 該当性・基準適合性・相当性 |
| 在留期間更新許可申請 | 継続性・相当性・基準適合性 |
| 永住許可申請 | 在留状況、収入、公的義務、素行など |
海外から呼び寄せる認定申請では、これから日本で行う活動と受入体制が中心になります。
一方、日本国内にいる外国人の変更・更新では、それに加えて、これまでの在留状況も重要になります。
3つの軸で申請内容を整理する方法
申請準備では、次のように整理すると分かりやすくなります。
申請したい在留資格を決める
↓
該当性を確認
└─ 活動・身分がその資格に当たるか
↓
基準適合性を確認
└─ 学歴・職歴・報酬・事業規模など
↓
相当性を確認
└─ 在留状況・納税・届出・素行など
↓
必要資料を整理
↓
理由書・説明書で補足
この流れで整理すると、何を資料で示すべきかが明確になります。
よくある誤解
該当性・基準適合性・相当性については、次のような誤解があります。
- 該当性があれば必ず許可されると思っている
- 学歴や職歴の基準を確認していない
- 更新申請では過去の在留状況は関係ないと思っている
- 不利な事情を説明しない方がよいと思っている
- 会社資料や家族資料で実体を示す必要がないと思っている
- 認定、変更、更新の違いを意識していない
まとめ
該当性・基準適合性・相当性は、在留資格申請を理解するための3つの基本軸です。
該当性は「その在留資格に当たるか」、基準適合性は「必要な条件を満たすか」、相当性は「許可してよい事情があるか」を確認する考え方です。
この3つを順番に整理することで、自分の申請で何が問題になりやすいのか、どの資料を準備すべきかが見えやすくなります。
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