在留資格「経営・管理」で会社を経営している場合、更新時には事業の継続性や実態が確認されます。
会社経営では、創業初期や投資段階で赤字になることもあります。
赤字決算になったからといって、直ちに更新が不可能になるとは限りません。
しかし、赤字の理由、資金繰り、改善見込み、事業継続性、公租公課の納付状況などを丁寧に説明する必要があります。
この記事では、経営・管理で赤字決算になった場合の更新対策を整理します。
1. 赤字決算でもすぐに不許可とは限らない
会社経営では、開業初年度や設備投資を行った年度に赤字になることがあります。
赤字そのものが直ちに更新不許可を意味するわけではありません。
ただし、更新申請では、事業を継続できる見込みがあるか、経営者として活動実態があるか、税金・社会保険などを適切に履行しているかが確認されます。
入管庁は、在留期間更新時には労働保険、社会保険、国税・地方税などの公租公課の支払義務の履行状況を確認するとしています。
2. 更新時に見られる主なポイント
赤字決算の場合、次のような点が確認されやすくなります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 赤字の理由 | 開業初期、投資、売上未達、一時的要因など |
| 売上推移 | 売上が増えているか、回復見込みがあるか |
| 資金繰り | 運転資金があるか |
| 債務超過 | 財務状態に重大な問題がないか |
| 事業継続性 | 今後も事業を続けられるか |
| 経営者の活動 | 本人が経営実務を行っているか |
| 税金・保険 | 滞納がないか |
| 改善計画 | 具体的な対策があるか |
赤字の原因を説明しないまま決算書だけを提出すると、事業継続性に不安があると見られる可能性があります。
3. 赤字理由を具体的に説明する
赤字にはさまざまな理由があります。
| 赤字理由 | 説明のポイント |
|---|---|
| 開業初期 | 初期費用・広告費・内装費が大きかった |
| 設備投資 | 将来売上のための投資である |
| 売上遅れ | 契約開始時期が遅れた |
| 一時的要因 | 為替、仕入価格、災害、取引先事情など |
| 人件費増 | 常勤職員雇用に伴う費用 |
| 事業転換 | 新サービス立ち上げ中 |
重要なのは、赤字の理由が一時的・合理的なものか、今後の改善見込みがあるかを説明することです。
4. 改善計画を示す
赤字決算の場合には、今後の改善計画を示すことが重要です。
改善計画には、次のような内容を入れると分かりやすくなります。
- 売上増加策
- 新規顧客獲得計画
- 既存顧客との契約継続
- 原価・経費削減策
- 借入・増資などの資金調達
- 人員体制の見直し
- 事業内容の修正
- 月次収支の見通し
単なる「今後頑張ります」という説明ではなく、数字と資料に基づく改善計画が必要です。
5. 資料で示したいもの
赤字決算の更新では、次のような資料が役立つことがあります。
| 資料 | 内容 |
|---|---|
| 決算書 | 損益・財務状況 |
| 月次試算表 | 直近の改善状況 |
| 資金繰り表 | 今後の支払能力 |
| 事業計画書 | 改善後の収支見込み |
| 契約書・発注書 | 売上見込み |
| 請求書・入金記録 | 実取引の証拠 |
| 借入契約書 | 資金調達状況 |
| 納税証明書 | 税金の履行状況 |
| 社会保険資料 | 公的義務の履行状況 |
入管庁は、改正後の更新時において、経営状況や改正後基準に適合する見込みなどを踏まえて判断する取扱いも示しています。
6. 公租公課の滞納は特に注意
赤字よりも深刻な問題になりやすいのが、税金や社会保険料の滞納です。
会社が赤字でも、納付すべき税金や社会保険料を適切に履行しているかは重要です。
経営・管理の更新では、法人税、消費税、法人住民税、法人事業税、源泉所得税、社会保険料、労働保険料などの状況が確認されます。
滞納がある場合には、早めに納付または分納相談を行い、状況を整理する必要があります。
7. 長期出国にも注意
経営・管理では、日本で経営活動を行っている実態も重要です。
入管庁は、在留期間中に正当な理由なく長期間出国していた場合、本邦における活動実態がないものとして更新が認められないとしています。
経営者が海外に長期間滞在していた場合には、その理由、日本事業の管理方法、日本での活動実態を説明する必要があります。
8. よくある注意点
赤字決算時の更新では、次のような点に注意が必要です。
- 赤字理由を説明していない
- 売上見込みの資料がない
- 資金繰りを示せない
- 税金・社会保険料に滞納がある
- 経営者本人の活動実態が弱い
- 事業計画が前回と変わっていない
- 改善策が抽象的
- 長期出国があるのに説明していない
- 会社の実態が休眠状態に近い
まとめ
経営・管理で赤字決算になった場合でも、直ちに更新が不可能になるとは限りません。
ただし、赤字の理由、事業継続性、改善計画、資金繰り、売上見込み、公租公課の履行状況、経営者本人の活動実態を丁寧に説明する必要があります。
更新申請では、決算書だけでなく、今後も事業を継続できることを資料で示すことが重要です。
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