外国人の在留資格手続きでは、本人が海外にいるのか、日本にいるのかによって、必要な手続きが大きく変わります。
たとえば、海外にいる外国人を日本企業が採用する場合と、日本にいる留学生を卒業後に正社員として採用する場合では、どちらも「日本で働く」ことが目的でも、申請の種類が異なります。
また、外国人配偶者を海外から日本に呼ぶ場合と、すでに日本にいる外国人が日本人と結婚して在留資格を変更する場合でも、手続きの流れは違います。
この記事では、海外にいる外国人と日本にいる外国人で、在留資格手続きがどのように違うのかを整理します。
手続きの入口は「本人がどこにいるか」で変わる
在留資格の手続きを考えるときは、まず本人の現在地を確認します。
本人が海外にいる
└─ 日本へ入国するための準備
→ 在留資格認定証明書交付申請
→ 査証申請
→ 上陸審査
本人が日本にいる
├─ 活動を変える
│ → 在留資格変更許可申請
├─ 同じ活動を続ける
│ → 在留期間更新許可申請
├─ 日本で出生した等
│ → 在留資格取得許可申請
└─ 永住を希望する
→ 永住許可申請
「日本で働きたい」「家族と暮らしたい」という目的が同じでも、本人が海外にいる場合と日本にいる場合では、手続きの出発点が違います。
海外にいる外国人を日本に呼ぶ場合
海外にいる外国人を日本に呼び寄せる場合、通常は日本側で在留資格認定証明書交付申請を行います。
代表的なケースは次のとおりです。
- 海外在住の外国人を日本企業が採用する
- 外国人配偶者を日本に呼び寄せる
- 外国人社員の配偶者や子を日本に呼び寄せる
- 外国人経営者を日本に呼ぶ
- 海外在住の留学生を日本の学校で受け入れる
在留資格認定証明書交付申請は、日本に入国しようとする外国人が、日本で行おうとする活動内容について、上陸のための条件に適合していることを入国前に確認するための申請です。交付された在留資格認定証明書は、在外公館での査証申請や上陸申請の際に利用されます。
海外から日本へ来る一般的な流れ
海外にいる外国人を日本に呼ぶ場合の流れは、一般的には次のようになります。
① 日本側で受入内容を整理
↓
② 必要書類を準備
↓
③ 出入国在留管理庁へ在留資格認定証明書交付申請
↓
④ 在留資格認定証明書が交付
↓
⑤ 海外にいる本人へ証明書を共有
↓
⑥ 在外公館で査証申請
↓
⑦ 査証発給
↓
⑧ 日本へ渡航
↓
⑨ 空港等で上陸審査
↓
⑩ 在留資格が付与され、日本で活動開始
この流れでは、日本側の受入企業、家族、学校などが準備する資料と、海外にいる本人が準備する資料の両方が必要になります。
たとえば、海外在住の外国人を採用する場合には、日本企業側の会社資料、雇用契約書、職務内容説明書、本人の学歴・職歴資料などが問題になります。
日本にいる外国人の場合
すでに日本にいる外国人の場合は、現在の在留資格、在留期限、これから行う活動内容を確認します。
主な手続きは次のとおりです。
| 本人の状況 | 主な手続き |
|---|---|
| 留学生が卒業後に就職する | 在留資格変更許可申請 |
| 就労資格で引き続き同じ会社で働く | 在留期間更新許可申請 |
| 就労資格の方が転職する | 更新・届出・就労資格証明書などを検討 |
| 日本人と結婚した | 配偶者に関する在留資格への変更を検討 |
| 日本で子どもが生まれた | 在留資格取得許可申請を検討 |
| 永住したい | 永住許可申請 |
在留資格変更許可申請は、現在の在留資格から別の在留資格に該当する活動へ変更しようとする場合に行う手続きです。
在留期間更新許可申請は、現在の在留資格に基づく活動を変更せず、在留期間を超えて引き続き在留しようとする場合に行う手続きです。
海外にいる場合と日本にいる場合の違い
海外在住者と日本在住者の手続きを比較すると、次のようになります。
| 項目 | 海外にいる外国人 | 日本にいる外国人 |
|---|---|---|
| 主な手続き | 在留資格認定証明書交付申請 | 変更・更新・取得など |
| 査証申請 | 原則として関係する | 通常は国内手続きが中心 |
| 在留カード | 入国時または後日交付 | すでに持っていることが多い |
| 注意点 | 来日予定日から逆算 | 在留期限を厳守 |
| 審査で見られる点 | 予定活動、受入体制、本人資料 | 現在の在留状況、変更理由、継続性 |
| 資料 | 本人資料+日本側受入資料 | 現在の活動や在留状況を示す資料 |
海外にいる場合は、これから日本で行う活動の内容と受入体制が中心になります。
日本にいる場合は、それに加えて、これまで日本でどのように在留してきたか、現在の在留資格に合った活動をしていたかも重要になります。
短期滞在で来日してから変更する方法には注意
「まず短期滞在で来日して、その後に就労や配偶者の在留資格へ変更すればよい」と考えることがあります。
しかし、短期滞在から中長期の在留資格へ変更することは、原則として慎重に考える必要があります。
特に、就労を目的としている場合には、短期滞在で来日して働き始めることはできません。
中長期間の在留を予定しているのであれば、原則として、海外にいる段階で在留資格認定証明書交付申請を検討するのが基本です。
日本にいる場合は在留期限の確認が重要
すでに日本にいる外国人の場合は、在留期限の確認が非常に重要です。
在留期限が近い場合、変更申請や更新申請の準備を急ぐ必要があります。
また、申請中に在留期限が来る場合には、一定の特例期間が問題になることもあります。
ただし、特例期間は無期限に在留を認めるものではありません。
申請後も、追加資料の連絡や結果通知を見落とさないようにする必要があります。
よくある誤解
海外在住者と日本在住者の手続きでは、次のような誤解がよくあります。
- 海外にいる人を日本国内の変更申請で呼べると思っている
- 日本にいる人も在留資格認定証明書だけで手続きできると思っている
- 査証申請と在留資格申請を混同している
- 短期滞在で入国すれば、その後どの資格にも簡単に変更できると思っている
- 在留期限が近いのに更新準備をしていない
- 日本にいる留学生を卒業後そのまま働かせられると思っている
- 海外から呼ぶ場合の準備期間を短く見積もっている
まとめ
外国人の在留資格手続きは、本人が海外にいるか、日本にいるかによって大きく変わります。
海外にいる場合は、在留資格認定証明書交付申請、査証申請、上陸審査という流れを考えます。
日本にいる場合は、在留資格変更、在留期間更新、在留資格取得、永住許可などが問題になります。
まず本人の現在地を確認し、そのうえで日本での目的、現在の在留資格、在留期限を整理することが、正しい手続きを選ぶ第一歩です。

