行政書士は、入管手続きに関する書類作成や相談、申請取次などを行うことができます。
一方で、行政書士ができることには範囲があり、すべての法律問題や紛争対応を行えるわけではありません。
入管業務を依頼する際には、行政書士ができること・できないことを理解しておくことが大切です。
この記事では、入管業務で行政書士ができること・できないことを整理します。
行政書士ができること
行政書士は、官公署に提出する書類の作成や、その手続きに関する相談を行う専門職です。
入管業務では、次のような手続きに関わることができます。
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
- 永住許可申請
- 資格外活動許可申請
- 就労資格証明書交付申請
- 再入国許可申請
- 在留カード関連手続き
日本行政書士会連合会も、行政書士が関わる国際業務として、在留資格認定証明書交付申請、在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請、永住許可申請、資格外活動許可申請、就労資格証明書交付申請などを挙げています。
申請取次行政書士ができること
申請取次行政書士は、一定の研修を受け、所属行政書士会を通じて地方出入国在留管理局に届出をした行政書士です。
弁護士・行政書士が申請等取次を行う場合には、所属する単位会を通じて地方出入国在留管理局に届出を行う必要があります。
申請取次行政書士は、一定の入管申請について、本人に代わって申請書類を提出することができます。
これにより、本人の入管出頭が免除される場合があります。
行政書士ができる主なサポート
入管業務で行政書士が行う主なサポートは次のとおりです。
| 内容 | 具体例 |
|---|---|
| 在留資格の整理 | どの在留資格を検討するか |
| 必要書類の案内 | 会社資料、本人資料、家族資料 |
| 申請書類作成 | 認定、変更、更新、永住など |
| 理由書作成 | 事情説明、採用理由、婚姻経緯等 |
| 申請取次 | 届出済行政書士による提出 |
| 追加資料対応 | 入管から求められた資料整理 |
| 再申請準備 | 不許可理由の整理と資料見直し |
| 他士業連携 | 税理士、社労士、司法書士、弁護士等 |
行政書士の役割は、申請人や企業の事情を確認し、必要な書類と説明を整理することです。
行政書士ができないこと
一方で、行政書士ができないこともあります。
代表的には、次のようなものです。
- 許可を保証すること
- 虚偽内容の申請書を作成すること
- 紛争性のある法律事件を代理すること
- 裁判手続きを代理すること
- 税務申告を代理すること
- 社会保険労務士業務に当たる手続きを代理すること
- 司法書士業務に当たる登記申請を代理すること
- 弁護士業務に当たる交渉・訴訟対応を行うこと
たとえば、会社設立登記は司法書士、税務申告は税理士、労働社会保険手続きは社会保険労務士、紛争・訴訟対応は弁護士の領域になります。
行政書士は、必要に応じて他士業と連携して対応することがあります。
許可を保証できない理由
入管申請では、許可・不許可を判断するのは出入国在留管理庁です。
行政書士は、事実関係を整理し、必要書類を作成し、申請内容を分かりやすく伝えることはできます。
しかし、許可を保証することはできません。
また、事実と異なる内容を記載したり、不利な事情を隠したりすることはできません。
他士業との連携が必要な場合
入管業務では、他士業との連携が必要になる場合があります。
| 分野 | 連携先の例 |
|---|---|
| 会社設立登記 | 司法書士 |
| 税務申告・決算 | 税理士 |
| 社会保険・労務 | 社会保険労務士 |
| 紛争・離婚・訴訟 | 弁護士 |
| 不動産登記 | 司法書士 |
| 許認可 | 行政書士が扱う場合あり |
入管申請だけで完結しない場合には、必要な専門家と連携して進めることが重要です。
よくある注意点
入管業務で行政書士に相談する際には、次の点に注意が必要です。
- 行政書士なら必ず申請取次できると思っている
- 許可を保証してくれると誤解している
- 登記や税務もすべて行政書士ができると思っている
- 紛争性のある離婚や労働問題も依頼できると思っている
- 事実と異なる内容でも書類を作れると思っている
- 他士業との連携が必要なケースを見落としている
まとめ
行政書士は、入管申請に関する書類作成、相談、理由書作成、申請取次などを行うことができます。
一方で、許可を保証すること、虚偽申請を行うこと、紛争性のある法律事件を代理すること、登記・税務・社会保険など他士業の独占業務を行うことはできません。
入管業務では、行政書士ができること・できないことを理解したうえで、必要に応じて他士業と連携しながら進めることが大切です。
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