13.在留資格申請中に在留期限が来た場合の扱い

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請をした後、審査結果が出る前に、現在の在留期限が来ることがあります。

この場合、一定の要件を満たすと、いわゆる「特例期間」により、従前の在留資格で引き続き日本に在留できる場合があります。

ただし、特例期間は、在留期限までに申請が受け付けられていることが必要であるほか、すべての在留資格申請に特例期間が認められるわけではなく、特例期間中にできる活動にも制限があるなど、注意が必要です。

この記事では、在留資格申請中に在留期限が来た場合の取扱いと、本人・勤務先が確認すべき事項を解説します。

1.在留期限までに申請することが重要

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請は、現在の在留期間が満了する日までに行う必要があります。

在留期間更新許可申請については、6か月以上の在留期間を有する場合、原則として在留期間満了日の3か月前から申請できます。

ただし、申請できる時期になったからといって、直ちに必要書類がすべてそろうとは限りません。勤務先が作成する書類、決算関係書類、課税証明書、納税証明書、身分関係書類などの準備に時間がかかることがあります。

在留期限の直前になってから準備を始めるのではなく、余裕をもって次の事項を確認しておくことが重要です。

  • 在留期限
  • 申請する手続が更新申請か変更申請か
  • 申請後も現在の活動を継続できるか
  • 本人が準備する書類
  • 勤務先や家族が準備する書類
  • 外国から取り寄せる必要がある書類
  • オンライン申請を利用するか、窓口で申請するか

書類を準備している、行政書士へ相談している、入管の来庁予約をしているというだけでは、在留資格の申請をしたことにはなりません。在留期限までに申請が正式に受け付けられていることが必要です。

関連サイト(出入国在留管理庁の案内) 在留期間更新許可申請|出入国在留管理庁

2.特例期間とは

在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請を行い、その申請に対する処分が現在の在留期間満了日までにされない場合があります。

この場合、一定の要件のもとで、次のいずれか早い時まで、従前の在留資格をもって引き続き日本に在留できます。

  • 申請に対する処分がされる時
  • 従前の在留期間満了日から2か月が経過する日が終了する時

この期間が、一般に「特例期間」と呼ばれています。

例えば、更新申請が許可された場合には、許可後は更新された在留期間により在留します。不許可処分を受けた場合には、その処分がされた時点で特例期間は終了するため、引き続き在留できると考えて放置してはいけません。

特例期間の基本については、出入国在留管理庁が専用ページで案内しています。

特例期間とは?|出入国在留管理庁

3.すべての在留資格申請に特例期間があるわけではない

特例期間の対象となるのは、主として次の申請です。

申請の種類特例期間の取扱い
在留期間更新許可申請一定の要件を満たす場合に対象となる
在留資格変更許可申請一定の要件を満たす場合に対象となる
在留資格認定証明書交付申請日本国外からの呼び寄せに関する手続であり、この特例期間とは異なる
永住許可申請永住申請をしただけでは現在の在留期限は延長されない

永住許可申請の審査中に現在の在留期限が来る場合には、現在の在留資格について、別途、在留期間更新許可申請を行う必要があります。

また、法令上、在留期間が30日以下の方から申請があった場合は、この特例期間の対象から除かれています。

「在留資格に関する申請をしていれば、すべて在留期限後も滞在できる」と考えないことが重要です。

認定申請、変更申請、更新申請の違いについては、次の記事で詳しく解説しています。

認定申請・変更申請・更新申請で審査ポイントはどう違うのか

4.特例期間中にできること

特例期間中は、従前の在留資格に基づく活動を継続できます。

代表的な在留資格については、次のように考えます。

従前の在留資格特例期間中の基本的な取扱い
技術・人文知識・国際業務従前の在留資格の範囲内で就労を継続できる
留学留学生として学業を継続できる
家族滞在家族滞在としての在留を継続できる
日本人の配偶者等配偶者等としての在留を継続できる
経営・管理従前の在留資格の範囲内で経営・管理活動を継続できる

ただし、特例期間は、新しい活動を自由に始めることを認める制度ではありません。

例えば、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への変更申請をした場合でも、変更許可を受ける前に、技術・人文知識・国際業務に該当する仕事へフルタイムで就職できるわけではありません。

在留資格変更許可申請中は、原則として、変更前の在留資格に基づく活動の範囲を守る必要があります。

資格外活動許可を受けている場合も、その許可された範囲を超えて働くことはできません。

5.在留カードと申請中であることの確認

地方出入国在留管理局の窓口で申請した場合、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に、在留期間更新許可申請中又は在留資格変更許可申請中であることが記載されます。

在留カード表面の在留期限が経過している場合でも、裏面に申請中であることが記載されていれば、特例期間中であることを確認できます。

一方、オンラインで申請した場合は、在留カード裏面に申請中であることは記載されません。

オンライン申請の場合は、在留カードとともに、申請受付番号等が記載された「申請受付完了メール」を携帯し、申請中であることを確認できるようにしておく必要があります。

オンライン申請を行った場合の申請中・特例期間中であることの証明|出入国在留管理庁

勤務先が外国人社員の在留期限を確認する場合にも、在留カード表面だけを見るのではなく、次の事項を確認することが重要です。

  • 在留カード裏面に申請中の記載があるか
  • オンライン申請の場合は受付完了メールがあるか
  • 申請が更新申請か変更申請か
  • 申請日及び申請受付番号
  • 現在も従前の在留資格で認められた仕事をしているか
  • 特例期間の終了日がいつになるか

採用時の在留カード確認については、次の記事もご参照ください。

Ⅰ-11.外国人採用で在留カードを確認する際の注意点

6.特例期間中の出国に注意する

在留期間更新許可申請中又は在留資格変更許可申請中であっても、再入国許可又はみなし再入国許可によって一時的に出国できる場合があります。

ただし、申請中に出国する場合には、次の点に注意が必要です。

  • 出国中にも入管から連絡が来る可能性がある
  • 追加資料の提出期限が指定される可能性がある
  • 許可通知や手続案内を確認できる状態にしておく必要がある
  • 日本国内の勤務先、家族又は申請を依頼した行政書士等と連絡できるようにしておく必要がある
  • 特例期間の終了前に日本へ戻り、必要な手続を行う必要がある

みなし再入国許可によって出国する場合は、従前の在留期間満了日から2か月を経過する日又は出国の日から1年を経過する日のいずれか早い日までに再入国し、申請結果を受け取る必要があります。

特例期間中であることだけを理由として、長期間の海外滞在が認められるわけではありません。特例期間の終了間際に再入国する日程は、航空便の欠航、病気その他の事情によって帰国できなくなる危険があります。

申請中に出国する場合は、事前に申請先の地方出入国在留管理局へ確認することが安全です。

出入国審査・在留審査Q&A|出入国在留管理庁

7.申請後の連絡・追加資料を確認する

在留資格の申請後、入管から追加資料の提出を求められることがあります。

追加資料の提出期限を過ぎても自動的に特例期間が延長されるわけではありません。また、追加資料を提出しなければ、提出済みの資料だけで審査される可能性があります。

申請後は、次のものを継続して確認します。

  • 郵便物
  • 電子メール
  • オンライン申請システムの申請状況
  • 入管からの電話連絡
  • 行政書士等へ依頼している場合は、その担当者からの連絡

追加資料を求められた場合の対応については、次の記事をご参照ください。

Ⅴ-6.入管から追加資料を求められた場合の対応

期限までに資料を準備できない場合については、次の記事で解説しています。

Ⅴ-11.追加資料提出期限に間に合わない場合の考え方

8.申請中に事情が変わった場合

申請後に転職、退職、休職、結婚、離婚、別居などが生じると、申請時の前提が変わることがあります。

変更後の事情によっては、入管への届出や、申請内容を補足する資料の提出が必要になります。

特に、在留資格変更許可申請中に予定していた勤務先を退職した場合や、更新申請中に雇用条件が大きく変わった場合には、申請の前提そのものに影響する可能性があります。

事情の変更を申告せず、申請時の内容のまま審査を受けると、許可後に事実関係の相違が問題になることもあります。

詳しくは、次の記事をご確認ください。

Ⅴ-14.申請中に転職・退職・結婚・離婚があった場合の対応

9.不許可になった場合は特例期間が終了する

特例期間は、申請に対する処分がされる時又は従前の在留期間満了日から2か月が経過する時の、いずれか早い時までです。

したがって、更新申請又は変更申請が不許可となった場合には、不許可処分がされた時点で、その申請に基づく特例期間は終了します。

不許可となった後も、当初想定していた特例期間の最終日まで当然に在留できるわけではありません。

不許可通知を受けた場合は、次の事項を速やかに確認する必要があります。

  • 不許可処分の日
  • 現在の在留資格及び在留期限
  • 入管から案内された今後の手続
  • 出国準備のための在留資格変更等が必要か
  • 再申請が可能か
  • 不許可理由を確認すべきか
  • 勤務や事業活動を継続できる状態か

不許可後の取扱いは、申請の種類、現在の在留状況、入管から受けた説明などによって異なります。自己判断で就労や在留を続けず、速やかに対応することが重要です。

Ⅴ-7.在留資格申請が不許可になった場合に確認すべきこと

10.特例期間の終了が近い場合

特例期間は無期限ではありません。

申請に対する処分がないまま、従前の在留期間満了日から2か月が経過すると、それ以降の在留に問題が生じる可能性があります。

特例期間の終了が近いにもかかわらず結果が出ていない場合は、放置せず、申請先の地方出入国在留管理局へ申請状況を確認する必要があります。

申請受付票、申請受付番号、在留カード、オンライン申請の受付完了メールなど、申請を確認できる資料を準備して問い合わせます。

「審査が遅れているから、自動的に2か月を越えて在留できる」と考えてはいけません。

11.企業が確認すべき事項

外国人社員の更新申請又は変更申請の審査中に在留期限が来る場合、勤務先も申請状況を確認する必要があります。

確認すべき主な事項は次のとおりです。

確認項目確認する内容
在留期限在留カード表面の満了日
申請日在留期限までに申請が受け付けられているか
申請の種類更新申請か変更申請か
申請中の証明在留カード裏面又はオンライン申請の受付完了メール
現在の仕事内容従前の在留資格で認められた範囲内か
特例期間終了する可能性がある日を確認しているか
入管からの連絡追加資料や結果通知を確認しているか
申請結果許可又は不許可後の対応を確認したか

在留資格変更許可申請中の場合、申請しただけで変更後の在留資格に基づく仕事ができるようになるわけではありません。

会社が変更後の仕事内容で勤務させる場合は、原則として在留資格変更許可を受けたことを確認してから就労を開始させます。

外国人社員の在留期限管理については、次の記事もご参照ください。

Ⅰ-19.外国人社員の在留期限管理を会社で行う方法

12.よくある注意点

在留資格申請中に在留期限が来る場合には、次の点に注意が必要です。

  • 在留期限を過ぎてから申請してもよいと思っている
  • 書類を準備しているだけで特例期間が認められると思っている
  • 特例期間がすべての在留資格申請に適用されると思っている
  • 特例期間が無期限だと誤解している
  • 在留期間が30日以下でも特例期間が適用されると思っている
  • 在留カード裏面を確認していない
  • オンライン申請では在留カード裏面に申請中の記載がないことを知らない
  • オンライン申請の受付完了メールを携帯していない
  • 在留資格変更申請をしただけで、新しい仕事を始めている
  • 出国中に入管からの連絡を受け取れない
  • 申請後の転職、退職、結婚、離婚などを申告していない
  • 不許可後も特例期間が続くと思っている
  • 特例期間の終了日までに結果を受け取らない
  • 永住申請をすれば現在の在留期限も延長されると思っている

13.在留期限・特例期間に関するご相談

在留期限が近い場合には、単に申請書を提出すればよいとは限りません。

現在の在留資格、在留期限、申請する手続、現在の活動内容、変更後の活動内容、勤務先の状況、必要書類などを確認し、期限までに適切な申請を行う必要があります。

特に、次のような場合には早めの確認が重要です。

  • 在留期限が近いが、まだ申請していない
  • 必要書類がそろっていない
  • 更新申請と変更申請のどちらが必要か分からない
  • 申請中に在留期限が来る
  • 特例期間の終了日が分からない
  • オンライン申請後の証明方法が分からない
  • 変更申請中に勤務を開始してよいか判断できない
  • 申請中に転職、退職、結婚、離婚などがあった
  • 特例期間中に海外へ出国する予定がある
  • 特例期間の終了が近いが、結果が出ていない
  • 更新申請又は変更申請が不許可になった

行政書士TMY総合法務事務所では、現在の在留資格と在留期限の確認、申請方法の検討、必要書類の整理、申請書・理由書等の作成、入管への申請取次などについてご相談を承ります。

相談方法、対応内容等の詳細は、次のお問い合わせページをご確認のうえ、ご連絡ください。

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※在留資格の許否は、申請人の在留状況、活動内容、勤務先、家族関係、提出資料その他の事情をもとに、出入国在留管理庁が個別に判断します。ご相談や申請取次は、許可を保証するものではありません。

14.まとめ

在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請を在留期限までに行い、期限までに処分がされない場合には、一定の要件のもとで特例期間が認められます。

特例期間は、申請に対する処分がされる時又は従前の在留期間満了日から2か月が経過する時の、いずれか早い時までです。

ただし、特例期間中に認められるのは、原則として従前の在留資格に基づく活動です。在留資格変更許可を受ける前に、変更後の在留資格を前提とする仕事を始めることはできません。

また、オンライン申請では在留カード裏面に申請中であることが記載されないため、在留カードと申請受付完了メールを携帯する必要があります。

申請後も、在留期限、特例期間、追加資料、結果通知、事情変更などを継続して管理することが重要です。

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