0-25. 初めて申請手続きを行う人が全体像を理解するための流れ

∞ 在留資格の基礎知識・総論

初めて申請手続きを行う場合、どの在留資格を選ぶべきか、どの申請をすべきか、何の書類を準備すればよいか分からず、不安になることがあります。

在留資格手続きは、個別の制度だけを見ると複雑です。
しかし、全体の流れを先に押さえると、一見難しそうな申請手続きも理解しやすくなります。

この記事では、初めて入管手続きを行う方に向けて、相談から申請、追加資料対応、許可後の管理までの流れを整理します。


まず全体の流れをつかむ

入管手続きは、次のように整理できます。

① 本人の現在地を確認する
├─ 海外にいる
└─ 日本にいる

② 日本での目的を確認する
├─ 働く
├─ 学ぶ
├─ 家族と暮らす
├─ 経営する
└─ 永住・帰化を考える

③ 在留資格の候補を整理する

④ 該当性・適合性・相当性を確認する

⑤ 必要書類を集める

⑥ 申請書・理由書を作成する

⑦ 入管へ申請する

⑧ 追加資料に対応する

⑨ 結果を受け取る

⑩ 許可後の届出・更新管理を行う

この流れを理解しておくと、各論の在留資格や手続きを整理しやすくなります。


本人の現在地を確認する

最初に確認するのは、外国人本人が今どこにいるかです。

本人の状況主な手続き
海外にいる在留資格認定証明書交付申請
日本にいて活動を変える在留資格変更許可申請
日本にいて同じ活動を続ける在留期間更新許可申請
日本で出生した等在留資格取得許可申請
永住したい永住許可申請

本人が海外にいる場合と日本にいる場合では、手続きの入口が異なります。


日本での目的を確認する

次に、日本で何をするのかを確認します。

日本での目的検討する在留資格
専門職として働く技術・人文知識・国際業務
海外関連会社から転勤する企業内転勤
会社を経営する経営・管理
人手不足分野で働く特定技能
学校で学ぶ留学
家族と暮らす家族滞在、日本人の配偶者等
長期的に日本に住む永住
日本国籍を取得したい帰化

ここで重要なのは、本人や企業の希望だけでなく、実際の活動内容・身分関係に合った在留資格を検討することです。


審査の3要素を確認する

在留資格の候補が見えたら、次に該当性・基準適合性・相当性を確認します。

判断軸内容
該当性その在留資格に当たる活動・身分か
基準適合性必要な基準を満たしているか
相当性許可してよい事情があるか

在留資格変更・更新については、法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに許可するものとされ、在留状況や在留の必要性等を総合的に勘案することが示されています。


必要書類を整理する

必要書類は、申請する在留資格と申請種類によって異なります。

大きく分けると、次のような資料があります。

分類主な資料
本人資料パスポート、在留カード、写真、履歴書
経歴資料卒業証明書、成績証明書、職務経歴書
会社資料登記事項証明書、会社案内、決算書
雇用資料雇用契約書、労働条件通知書、職務内容説明書
家族資料戸籍、婚姻証明書、出生証明書
収入資料課税証明書、納税証明書、給与明細
説明資料理由書、説明書、事業計画書
翻訳資料外国語書類の日本語訳

外国語で作成された資料には、日本語訳を添付する必要があります。


申請書・理由書を作成する

必要書類が見えてきたら、申請書や理由書を作成します。

申請書には、所定の事項を正確に記載します。
理由書や説明書では、申請書だけでは伝わりにくい事情を整理します。

特に次のような場合には、理由書や説明書が重要になります。

  • 外国人を採用する理由を説明したい
  • 学歴と業務内容の関連性を説明したい
  • 夫婦関係や家族関係の実体を説明したい
  • 経営・管理の事業計画を説明したい
  • 不許可後の再申請で補強したい
  • 収入減少や別居など不利な事情を説明したい

申請後は追加資料に対応する

申請を出した後、入管から追加資料を求められることがあります。

追加資料は、申請時の書類だけでは確認できない点を補うために求められるものです。
期限が指定されることがあるため、内容を正確に確認し、期限内に対応することが重要です。

追加資料対応では、次の点を整理します。

  • 何を求められているのか
  • どの資料で説明できるのか
  • 期限までに取得できるか
  • 取得できない場合、代替資料や説明書が必要か
  • 既に提出した資料と矛盾しないか

結果を受け取った後の対応

許可された場合でも、その後の管理が重要です。

許可後に確認すること内容
在留期限次回更新時期を管理
活動内容在留資格に合った活動を継続
在留カード記載内容を確認
住所変更市区町村で届出
転職・退職所属機関届出
離婚・死別配偶者届出
再入国みなし再入国・再入国許可を確認
次回申請早めに準備

在留カードや届出に関する手続きも、在留資格の維持に関係します。
住所変更は移転日から14日以内に市区町村で行う必要があります。


不許可・不交付になった場合

不許可や不交付になった場合には、すぐに同じ内容で再申請するのではなく、まず理由を整理することが重要です。

確認すべきことは次のとおりです。

  • 申請した在留資格は適切だったか
  • 該当性に問題があったのか
  • 基準適合性に問題があったのか
  • 相当性に問題があったのか
  • 提出資料が不足していたのか
  • 理由書の説明が不十分だったのか
  • 事情変更があったのか

不許可理由を整理しないまま再申請しても、同じ結果になる可能性があります。


初めての方が押さえるべき基本ポイント

初めて入管手続きを行う方は、次の5点を意識すると整理しやすくなります。

① 本人の現在地を確認する
② 日本での活動・身分を整理する
③ 認定・変更・更新のどれかを確認する
④ 該当性・適合性・相当性を確認する
⑤ 資料と理由書で説明する

この5点を押さえることで、個別の在留資格記事を読んだときにも、制度全体の中での位置づけが分かりやすくなります。


よくある注意点

初めての入管手続きでは、次のような誤解が起こりやすいです。

  • ビザと在留資格を混同している
  • 本人が海外にいるか日本にいるかを確認していない
  • 在留資格名だけで判断している
  • 仕事内容や身分関係の実体を確認していない
  • 必要書類を直前に集めようとしている
  • 理由書や説明書の役割を理解していない
  • 許可後の届出義務を忘れている
  • 不許可後に原因を整理せず再申請する

まとめ

初めて入管手続きを行う場合は、本人の現在地、日本での目的、在留資格の候補、該当性・基準適合性・相当性、必要書類、申請後対応の順に整理すると理解しやすくなります。

在留資格制度は複雑ですが、全体像を先に把握しておくことで、外国人雇用、家族滞在、配偶者資格、永住、経営・管理、特定技能などの各論記事も読みやすくなります。


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