Ⅲ-2. 永住申請で重視される収入・納税・年金・健康保険

Ⅲ 永住申請

永住申請では、日本で安定して生活できるかどうかが重要な確認事項になります。

そのため、収入だけでなく、住民税、国税、公的年金、健康保険の納付状況も確認されます。

この記事では、永住申請で重視される収入・納税・年金・健康保険について整理します。


永住申請では「安定した生活」が確認される

永住許可に関するガイドラインでは、独立の生計を営むに足りる資産または技能を有することが要件の一つとして示されています。これは、日常生活において公共の負担にならず、将来にわたり安定した生活が見込まれることを意味します。

実務上は、次のような点が確認されます。

  • 継続的な収入があるか
  • 扶養家族を含めて生活できる収入か
  • 転職・休職・収入減少がないか
  • 住民税を期限内に納めているか
  • 国税に未納がないか
  • 年金・健康保険に加入し、納付しているか

収入金額だけでなく、家族構成や扶養人数とのバランスも重要になります。


収入で確認されること

永住申請では、申請人本人または扶養者の収入が確認されます。

会社員の場合は、主に次の資料が関係します。

資料確認される内容
課税証明書年間所得
納税証明書住民税の納付状況
在職証明書勤務先・雇用状況
源泉徴収票給与収入
給与明細最近の収入状況
預金通帳生活資金・資産状況

自営業者や会社経営者の場合は、確定申告書控え、営業許可書、決算書類、事業実態を示す資料などが重要になります。


住民税の確認

就労資格から永住申請をする場合、出入国在留管理庁の案内では、直近5年分の住民税の課税証明書・納税証明書、さらに特別徴収されていない期間がある場合には、適正な時期に納めていることを示す通帳写しや領収証書等が必要とされています。

注意が必要なのは、未納がないだけでは不十分な場合があるという点です。

たとえば、納付期限を過ぎてからまとめて納めた場合、申請時点では未納がなくても、期限内に納めていないことが問題になる可能性があります。ガイドラインでも、公的義務について、申請時点で納付済みであっても、当初の納付期間内に履行されていない場合は原則として消極的に評価されるとされています。


国税の確認

永住申請では、住民税だけでなく国税の未納がないかも確認されます。

就労資格からの永住申請では、源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税に係る納税証明書その3が提出資料として案内されています。納税証明書その3は、証明日現在において未納がないことを証明するものです。

会社員であっても、副業、確定申告、不動産所得、個人事業、相続・贈与などがある場合には、国税関係の確認が必要になることがあります。


年金の確認

永住申請では、公的年金の加入・納付状況も確認されます。

就労資格から永住申請をする場合、過去2年間に加入した公的年金制度に応じた納付状況資料を提出することが案内されています。資料として、年金事務所発行の被保険者記録照会回答票や、ねんきん定期便、ねんきんネットの記録などが示されています。

会社員で厚生年金に加入している場合でも、転職や退職の期間がある場合には、その間に国民年金の未納がないか確認が必要です。


健康保険の確認

健康保険についても、加入状況と保険料の納付状況が確認されます。

就労資格からの永住申請では、過去2年間の公的医療保険の保険料納付状況を証明する資料が必要です。健康保険に継続加入していた場合は健康保険証等の写しで足りる場合がありますが、国民健康保険に加入していた期間がある場合には、納付証明書や領収証書が必要になることがあります。

転職、退職、個人事業への転換などで保険制度が変わった場合は、空白期間や未納がないかを確認しておく必要があります。


扶養家族が多い場合

収入は、単独の金額だけで判断されるものではありません。

たとえば、同じ年収でも、扶養家族がいない方と、配偶者・子どもを複数扶養している方では、生活の安定性の評価が変わる可能性があります。

確認すべき点は次のとおりです。

  • 扶養家族の人数
  • 配偶者の収入
  • 子どもの年齢
  • 家賃や住宅ローン
  • 教育費
  • 預貯金
  • 親族からの支援の有無

扶養人数が多い場合には、収入だけでなく、預貯金や生活費の見通しを含めて整理することが大切です。


よくある注意点

永住申請の収入・納税・年金・健康保険では、次の点に注意が必要です。

  • 住民税を普通徴収にしていて納付が遅れている
  • 転職期間中に国民年金が未納になっている
  • 国民健康保険料をまとめて後払いしている
  • 副業の確定申告をしていない
  • 扶養家族が多く収入とのバランスが悪い
  • 自営業の所得が少なく見えてしまう
  • 会社経営者が会社の社会保険料を滞納している
  • 収入が一時的に大きく下がっている

永住申請では、「今払っているか」だけではなく、「期限どおりに適正に履行してきたか」が重要です。


まとめ

永住申請では、収入、住民税、国税、公的年金、健康保険の状況が重視されます。

特に重要なのは、次の点です。

  • 安定した収入があるか
  • 扶養家族を含めて生活できるか
  • 住民税を期限内に納めているか
  • 国税に未納がないか
  • 年金・健康保険に加入し、納付しているか
  • 転職・退職・休職期間に空白や未納がないか

永住申請を考える場合には、申請直前ではなく、少なくとも数年前から納税・年金・保険の履行状況を整えておくことが重要です。


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