Ⅲ-3. 就労ビザから永住申請をする場合の注意点

Ⅲ 永住申請

「技術・人文知識・国際業務」「技能」「経営・管理」などの就労系在留資格で日本に在留している方が、将来的に永住を目指すケースは多くあります。

就労ビザから永住申請をする場合には、在留年数、仕事内容、収入、納税、年金、健康保険、転職履歴などを整理する必要があります。

この記事では、就労ビザから永住申請をする場合の注意点を解説します。


就労ビザからの永住申請の基本

永住許可に関するガイドラインでは、原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格または居住資格で5年以上在留していることが示されています。ただし、技能実習と特定技能1号は、この「就労資格」の期間には含まれない扱いです。

就労ビザから申請する場合、次のような点が重要になります。

  • 日本での継続在留年数
  • 就労資格での在留期間
  • 現在の在留期間
  • 勤務先・職務内容
  • 収入の安定性
  • 納税・年金・健康保険の履行状況
  • 転職・退職期間の有無
  • 素行・交通違反等の有無

現在の在留資格に合った活動をしているか

就労ビザから永住申請をする場合、現在の在留資格に合った活動を継続していることが重要です。

たとえば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格であれば、専門的・技術的な業務や国際業務に従事していることが前提になります。

次のような場合には注意が必要です。

  • 在留資格と実際の業務内容がずれている
  • 転職後の仕事内容を確認していない
  • 本来の業務と異なる現場作業が中心になっている
  • 会社を退職して長期間無職になっている
  • 契約機関に関する届出を忘れている

永住申請は、これまでの在留状況を総合的に確認する手続きです。
現在の活動が在留資格に合っているかを整理しておくことが大切です。


転職歴がある場合

就労ビザで長く在留している方は、永住申請までの間に転職を経験していることがあります。

転職歴があること自体が直ちに問題になるわけではありません。
ただし、次の点を確認する必要があります。

確認項目内容
退職日・入社日無職期間の有無
転職後の業務内容在留資格との整合性
届出契約機関に関する届出の有無
収入変化年収の増減
社会保険年金・健康保険の空白
住民税普通徴収期間の納付状況

転職のたびに年金や健康保険の切替えが発生することがあります。
その期間に未納や納付遅れがないかを確認することが重要です。


収入の安定性

就労ビザからの永住申請では、収入の安定性が重要です。

出入国在留管理庁の就労資格向けの提出書類案内では、直近5年分の住民税の課税証明書・納税証明書や、所得を証明する資料が示されています。

確認されるのは、単に年収が高いかどうかだけではありません。

  • 継続的な収入があるか
  • 扶養家族を含めて生活できるか
  • 収入が大きく下がっていないか
  • 転職や休職による空白がないか
  • 自営業の場合、所得が安定しているか

給与収入が安定している会社員と、自営業・会社経営者では、準備すべき資料も異なります。


税金・年金・健康保険

就労ビザからの永住申請では、税金・年金・健康保険の履行状況が重要です。

就労資格からの申請では、直近5年分の住民税資料、国税の納税証明書、過去2年間の公的年金・公的医療保険の納付状況資料が案内されています。

特に注意したいのは、次の点です。

  • 住民税の普通徴収期間に納付遅れがある
  • 退職期間中に国民年金が未納になっている
  • 国民健康保険料をまとめて後払いしている
  • 自営業者が国民年金・国保を期限内に納めていない
  • 会社経営者が会社の社会保険料を滞納している

申請時点で未納を解消していても、期限内に履行していない場合は消極的に評価される可能性があります。


現在の在留期間

永住申請では、現在持っている在留資格について、原則として最長の在留期間で在留していることが必要です。

令和8年2月24日改訂のガイドラインでは、令和9年3月31日までの間、在留期間3年を有する場合は最長の在留期間として取り扱うとされています。

就労ビザの方は、永住申請を検討する前に、現在の在留期間が1年なのか、3年なのか、5年なのかを必ず確認する必要があります。


よくある注意点

就労ビザから永住申請をする場合には、次の点に注意が必要です。

  • 在留年数だけで申請可能と考えている
  • 転職後の仕事内容が在留資格に合っているか確認していない
  • 住民税を普通徴収で期限後納付している
  • 退職期間中に年金・健康保険の未納がある
  • 収入が扶養人数に比べて不安定である
  • 現在の在留期間が短い
  • 会社経営者として社会保険料の納付状況を確認していない
  • 交通違反や法令違反を整理していない

まとめ

就労ビザから永住申請をする場合、在留年数だけでなく、現在の活動内容、収入、納税、年金、健康保険、転職履歴が重要になります。

確認すべきポイントは、次のとおりです。

  • 原則10年以上の在留と就労資格等で5年以上の在留
  • 現在の在留資格に合った活動をしているか
  • 安定した収入があるか
  • 住民税・国税・年金・健康保険に問題がないか
  • 転職・退職期間の届出や保険切替えに問題がないか
  • 現在の在留期間が申請可能な期間か

就労ビザから永住を目指す場合には、数年前から税金・年金・健康保険・在留期間を意識して準備することが大切です。


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