0-12. 基準適合性とは?上陸許可基準・基準省令を確認する考え方

∞ 在留資格の基礎知識・総論

在留資格申請では、「その在留資格に当たるか」だけでなく、一定の基準を満たしているかが問題になることがあります。

この考え方を、一般に基準適合性といいます。

たとえば、外国人が専門職として働く場合、予定する仕事内容が「技術・人文知識・国際業務」に当たりそうでも、本人の学歴・職歴、報酬、雇用契約、受入企業の状況などを確認する必要があります。

この記事では、基準適合性とは何かを、申請する方や企業担当者にも分かりやすく整理します。


基準適合性とは

基準適合性とは、申請する在留資格について、法令や基準で求められている具体的な条件を満たしているかを確認する考え方です。

出入国在留管理庁の在留資格一覧表では、在留資格ごとに「上陸許可基準の適用の有無」が整理されています。特に一部の就労系在留資格では、在留資格に該当するだけでなく、上陸許可基準に適合することが重要になります。

簡単に言えば、基準適合性とは、

その在留資格に当たりそうだとして、さらに必要な具体的条件を満たしているか

という確認です。


該当性と基準適合性の違い

該当性と基準適合性は、似ていますが確認する内容が異なります。

判断項目確認すること
該当性その在留資格に当たる活動・身分か技人国の対象業務か
基準適合性その資格に必要な条件を満たすか学歴・職歴・報酬などを満たすか

たとえば、外国人を海外営業として採用する場合、まず業務内容が技術・人文知識・国際業務に当たるかを確認します。
そのうえで、本人の学歴や職歴、報酬、雇用契約などが基準に合っているかを確認します。


基準適合性が問題になりやすい在留資格

基準適合性が問題になりやすい在留資格には、次のようなものがあります。

在留資格確認されやすい基準
技術・人文知識・国際業務学歴・職歴、業務との関連性、報酬、契約
企業内転勤海外事業所での勤務実績、転勤関係、業務内容
経営・管理事業所、事業規模、資本金、事業計画
技能実務経験、熟練技能
特定技能技能試験、日本語能力、雇用契約、支援体制
高度専門職ポイント計算、学歴、職歴、年収など

特に就労系在留資格では、本人の能力や経験だけでなく、受入企業側の状況も重要になります。


技術・人文知識・国際業務の例

技術・人文知識・国際業務では、次のような点が確認されます。

確認事項内容
学歴大学等で関連分野を学んでいるか
職歴実務経験で説明できるか
業務内容専門知識を要する業務か
報酬日本人が従事する場合と同等額以上か
契約日本の公私の機関との契約があるか
会社実態受入企業に実態があるか

出入国在留管理庁の技術・人文知識・国際業務のページでも、申請の種類やカテゴリーに応じて、活動内容、期間、地位、報酬を明らかにする文書や、学歴・職歴を証明する文書などが案内されています。


経営・管理の例

経営・管理では、会社を設立したかどうかだけではなく、実際に事業を行う体制があるかが重要になります。

たとえば、次のような点が問題になります。

  • 事業所が確保されているか
  • 事業規模が基準に合っているか
  • 資本金や事業資金を説明できるか
  • 事業計画に具体性があるか
  • 取引先や売上見込みがあるか
  • 許認可が必要な業種では取得見込みがあるか
  • 本人が実際に経営・管理活動を行うか

経営・管理は、在留資格申請だけでなく、会社設立や許認可、事業計画とも密接に関係します。


基準適合性を説明するための資料

基準適合性は、書類で説明する必要があります。

確認内容主な資料
学歴卒業証明書、成績証明書
職歴職務経歴書、在職証明書
報酬雇用契約書、労働条件通知書
会社実態登記事項証明書、決算書、会社案内
事業計画事業計画書、取引予定資料
資本金通帳写し、払込資料、登記資料
特定技能試験合格証明書、支援計画、雇用契約書

書類を集める際は、「何を証明するための資料なのか」を意識すると整理しやすくなります。


よくある誤解

基準適合性については、次のような誤解があります。

  • 仕事内容が合っていれば、学歴や職歴は関係ないと思っている
  • 大学を卒業していれば、どの専門職でも申請できると思っている
  • 報酬額はあまり問題にならないと思っている
  • 会社を設立すれば経営・管理の基準を満たすと思っている
  • 特定技能では雇用契約だけ整えればよいと思っている
  • 会社側の資料は少なくてもよいと思っている

基準適合性は、本人側と受入側の両方から確認されることがあります。


まとめ

基準適合性とは、在留資格に該当する活動を行うだけでなく、その在留資格ごとに定められた具体的な条件を満たしているかを確認する考え方です。

特に就労系在留資格では、学歴、職歴、報酬、契約、会社実態、事業規模、受入体制などが重要になります。

在留資格申請を検討するときは、該当性と基準適合性を分けて整理し、それぞれに対応する資料を準備することが大切です。


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