外国人を雇用する会社には、外国人雇用状況届出という重要な届出があります。
外国人雇用状況届出は、外国人を雇い入れたときだけでなく、離職したときにも必要です。
採用時の在留カード確認や在留資格の確認に意識が向きやすい一方で、この届出を忘れてしまう会社もあります。
この記事では、外国人雇用状況届出とは何か、誰を対象に、いつ、どのように届け出るのかを整理します。
1. 外国人雇用状況届出とは
外国人雇用状況届出とは、外国人労働者を雇い入れたとき、または離職したときに、事業主がハローワークへ届け出る制度です。
厚生労働省は、外国人雇用状況届出について、外国人の雇入れおよび離職の際に、全ての事業主が届け出る必要があると案内しています。届出を怠ったり、虚偽の届出をした場合には、30万円以下の罰金の対象となることも示されています。
この届出は、外国人労働者の雇用状況を把握し、雇用管理の改善や再就職支援などに活用されます。
2. 届出が必要な外国人
外国人雇用状況届出の対象となるのは、原則として、外国人労働者を雇用する場合です。
ただし、次の方は届出対象から除かれます。
- 在留資格「外交」
- 在留資格「公用」
- 特別永住者
厚生労働省の外国人雇用管理指針でも、「外国人」から特別永住者並びに在留資格が「外交」および「公用」の者を除くものとされています。
3. 雇入れ時と離職時の両方で必要
外国人雇用状況届出は、雇い入れたときだけでなく、離職したときにも必要です。
| 場面 | 届出の要否 |
|---|---|
| 外国人を新たに雇った | 必要 |
| 外国人が退職した | 必要 |
| 契約期間満了で離職した | 必要 |
| 雇用保険の被保険者になった | 資格取得届で兼ねる |
| 雇用保険の被保険者でない | 様式第3号で届出 |
採用時だけでなく、退職時にも届出が必要である点に注意が必要です。
4. 雇用保険被保険者かどうかで方法が変わる
外国人雇用状況届出の方法は、その外国人が雇用保険の被保険者になるかどうかで異なります。
| 区分 | 届出方法 | 届出期限 |
|---|---|---|
| 雇用保険被保険者となる外国人 | 雇用保険被保険者資格取得届・喪失届で届出を兼ねる | 雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から10日以内 |
| 雇用保険被保険者とならない外国人 | 外国人雇用状況届出書(様式第3号) | 雇入れ・離職とも翌月末日まで |
厚生労働省は、雇用保険被保険者となる外国人については雇用保険被保険者資格取得届・喪失届を提出することで外国人雇用状況届出を行ったこととなり、雇用保険被保険者とならない外国人については様式第3号を提出すると案内しています。
5. 届出の際に確認する情報
外国人雇用状況届出では、主に次のような情報を確認します。
| 確認事項 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 在留カード等と一致しているか |
| 在留資格 | 技人国、留学、永住者など |
| 在留期間 | 1年、3年、5年など |
| 在留期限 | いつまで在留できるか |
| 国籍・地域 | 在留カードの記載 |
| 生年月日 | 本人確認 |
| 資格外活動許可 | 留学生等の場合に確認 |
| 雇入れ・離職年月日 | 実際の日付 |
厚生労働省は、届出を行う際には外国人労働者の在留カードまたは旅券等の提示を求め、届出事項を確認するよう案内しており、届出時に在留カード等の写しの添付は不要としています。
6. 在留資格確認とは別の手続き
外国人雇用状況届出をしたからといって、その外国人の就労が在留資格上問題ないと確認されたわけではありません。
届出は、雇用状況をハローワークに届け出る制度です。
一方、在留資格の確認は、会社が採用時に在留カードや仕事内容を確認する実務上の重要事項です。
つまり、会社は次の両方を行う必要があります。
| 確認・手続き | 内容 |
|---|---|
| 在留資格確認 | 現在の在留資格で予定業務ができるか確認 |
| 外国人雇用状況届出 | 雇入れ・離職をハローワークへ届け出る |
この2つは目的が異なるため、どちらか一方で足りるものではありません。
7. よくある注意点
外国人雇用状況届出では、次のようなミスが起こりやすいです。
- 雇入れ時だけ届け出て、離職時の届出を忘れる
- 雇用保険に入らない短時間勤務者の届出を忘れる
- 在留カードの記載内容を確認せずに届け出る
- 特別永住者も届出対象だと誤解する
- 届出期限を過ぎてしまう
- 在留資格確認と届出を混同する
- 外国人雇用状況届出をすれば在留資格上も問題ないと思ってしまう
まとめ
外国人雇用状況届出は、外国人を雇い入れたとき、または離職したときに、事業主が行う重要な届出です。
雇用保険被保険者となる外国人は、雇用保険被保険者資格取得届・喪失届で届出を兼ねます。
雇用保険被保険者とならない外国人は、外国人雇用状況届出書を提出します。
この届出は、在留資格確認とは別の手続きです。
外国人を雇用する会社は、採用時の在留カード確認、在留資格と仕事内容の確認、外国人雇用状況届出をセットで管理することが大切です。
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