Ⅳ-1. 外国人が日本で会社を設立する場合の在留資格

外国人が日本で会社を設立し、経営者として事業を行う場合には、会社設立の手続きだけでなく、在留資格の確認が必要になります。

日本で会社を設立すること自体と、日本で経営者として在留することは別の問題です。
外国人が日本に滞在しながら事業の経営・管理を行う場合には、多くの場合、在留資格「経営・管理」が問題になります。

この記事では、外国人が日本で会社を設立する場合に確認すべき在留資格の基本を整理します。


会社設立と在留資格は別の手続き

外国人でも、日本で会社を設立することは可能です。
ただし、会社を設立できることと、日本でその会社を経営するための在留資格が認められることは同じではありません。

外国人が日本で事業を起こし、または既存事業の経営・管理に従事する場合には、「経営・管理」の在留資格が問題になります。この在留資格では、外国人が事業の経営または管理に実質的に参画していること、事業所の確保、事業規模などが確認されます。


経営・管理ビザが必要になる主なケース

外国人が日本で会社を設立する場合、次のようなケースで「経営・管理」が問題になります。

ケース確認事項
海外在住の外国人が日本で起業する在留資格認定証明書交付申請を検討
日本在住の外国人が会社を設立する現在の在留資格から変更が必要か確認
留学生が卒業後に起業する留学から経営・管理への変更を検討
就労ビザの外国人が独立する現在の在留資格では経営活動が可能か確認
外国会社が日本法人を設立する代表者・管理者の在留資格を確認

会社を設立しただけでは、「経営・管理」の在留資格が当然に認められるわけではありません。
事業としての実体、資金、事務所、経営者としての役割などを整理する必要があります。


事業規模・常勤職員・資本金等の確認

「経営・管理」では、事業の規模が重要です。

出入国在留管理庁の案内では、近年の改正により、経営・管理の上陸基準として、申請者が営む会社等において1人以上の常勤職員を雇用すること、法人の場合は3,000万円以上の資本金等が必要とされています。常勤職員の対象は、日本人、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者などに限られると説明されています。

したがって、以前の情報で見られる「資本金500万円以上または常勤職員2名以上」といった説明は、現在の基準としてはそのまま使えません。
会社設立時には、最新の基準を確認することが重要です。


事務所の確保も重要

経営・管理では、事業を行うための事務所が確保されているかも確認されます。

自宅、バーチャルオフィス、シェアオフィス、レンタルオフィスなどを利用する場合には、その場所で事業活動を継続的に行えるかが問題になります。

確認されやすい点は次のとおりです。

  • 事務所として使用できる契約になっているか
  • 事業専用のスペースがあるか
  • 看板・郵便物・電話対応など事業実態を示せるか
  • 契約期間が短すぎないか
  • 住居用契約になっていないか

事務所は、単に住所があるだけではなく、実際に事業を行う拠点として説明できることが重要です。


事業計画の具体性

設立直後の会社では、過去の売上や実績が十分にないことが多いため、事業計画書が重要になります。

事業計画書では、次のような内容を整理します。

  • 事業内容
  • 取扱商品・サービス
  • 想定顧客
  • 販売方法
  • 取引先・仕入先
  • 売上見込み
  • 必要経費
  • 資金計画
  • 人員計画
  • 代表者の経歴

単に「貿易業を行う」「コンサルティングを行う」といった抽象的な説明ではなく、具体的にどのような事業をどのように行うのかを示すことが大切です。


よくある注意点

外国人が日本で会社を設立する場合、次の点に注意が必要です。

  • 会社を作れば在留資格が取れると考えている
  • 旧基準の情報を前提に準備している
  • 資本金や常勤職員の基準を確認していない
  • 事務所が事業用として説明しにくい
  • 事業計画が抽象的である
  • 取引先や売上見込みを示せない
  • 経営者本人の経験と事業内容の関係が弱い
  • 設立後の許認可や税務手続きを確認していない

まとめ

外国人が日本で会社を設立する場合、会社設立手続きと在留資格申請を分けて考える必要があります。

日本で経営者として活動するためには、多くの場合、在留資格「経営・管理」が問題になります。
申請では、会社設立の有無だけでなく、事業所、資本金等、常勤職員、事業計画、経営者としての実体が確認されます。

外国人起業では、会社設立前の段階から、在留資格の要件と事業計画を一体で整理することが重要です。


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