在留資格には多くの種類があります。
初めて在留資格について調べると、「技術・人文知識・国際業務」「日本人の配偶者等」「家族滞在」「特定活動」「永住者」など、似たように見える名前が並び、全体像が分かりにくく感じるかもしれません。
そこで、まずは在留資格を大きく、
- 就労系在留資格
- 身分系在留資格
- 非就労系在留資格
- 特定活動
という分類で整理すると理解しやすくなります。
この記事では、それぞれの違いと、どのような場面で関係するのかを解説します。
在留資格は大きく「活動」と「身分」で考える
在留資格は、大きく見ると、外国人が日本で行う「活動」に基づくものと、本人の「身分・地位」に基づくものに分けられます。
出入国在留管理庁の在留資格一覧表でも、在留資格は就労資格、非就労資格、身分・地位に基づく資格などに整理されています。
在留資格
├─ 活動に基づく在留資格
│ ├─ 就労系在留資格
│ ├─ 非就労系在留資格
│ └─ 特定活動
│
└─ 身分・地位に基づく在留資格
├─ 永住者
├─ 日本人の配偶者等
├─ 永住者の配偶者等
└─ 定住者
活動に基づく在留資格では、「日本で何をするのか」が重要です。
身分・地位に基づく在留資格では、「誰の配偶者か」「親子関係があるか」「永住者として認められているか」「定住者として認められる事情があるか」などが重要になります。
就労系在留資格とは
就労系在留資格とは、日本で働くことを目的とする在留資格です。
代表的なものには、次のような在留資格があります。
| 在留資格 | 主な対象 |
|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 | エンジニア、通訳、海外営業、マーケティングなど |
| 企業内転勤 | 海外関連会社から日本拠点へ転勤する社員 |
| 経営・管理 | 会社の経営者、管理者 |
| 高度専門職 | 高度人材ポイント制に該当する専門人材 |
| 技能 | 熟練した技能を要する業務 |
| 特定技能 | 特定産業分野で働く一定技能を有する外国人 |
| 介護 | 介護福祉士として介護業務に従事する人 |
ただし、就労系在留資格を持っていれば、どのような仕事でもできるわけではありません。
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」であれば、専門的・技術的な業務や、外国文化に基盤を有する業務などが対象になります。単純作業や現場作業が中心の場合は、この在留資格で説明することが難しい場合があります。
身分系在留資格とは
身分系在留資格とは、日本で行う活動内容ではなく、本人の身分や地位に基づいて認められる在留資格です。
代表的なものは次のとおりです。
| 在留資格 | 主な対象 |
|---|---|
| 永住者 | 永住許可を受けた外国人 |
| 日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者、日本人の子など |
| 永住者の配偶者等 | 永住者の配偶者、永住者の子など |
| 定住者 | 日系人、連れ子、その他特別な事情がある人など |
身分系在留資格は、一般に就労制限が少ないことが特徴です。
たとえば、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の方は、就労系在留資格のように「その職務が専門的業務に当たるか」といった確認を同じ形で受けるわけではありません。
ただし、身分系在留資格は「簡単に認められる資格」という意味ではありません。
日本人の配偶者等であれば婚姻の実体、定住者であれば定住者として認められる事情などが重要になります。
非就労系在留資格とは
非就労系在留資格とは、日本での就労を主な目的としない在留資格です。
代表的なものには、次のような在留資格があります。
| 在留資格 | 主な活動 |
|---|---|
| 留学 | 日本の学校などで学ぶ |
| 家族滞在 | 就労者や留学生などの扶養を受ける家族として滞在する |
| 文化活動 | 収入を伴わない学術・芸術活動など |
| 研修 | 技術・技能などの修得 |
| 短期滞在 | 観光、親族訪問、短期商用など |
非就労系在留資格では、原則として就労はできません。
ただし、留学や家族滞在などでは、資格外活動許可を受けることで、一定範囲のアルバイトが認められることがあります。資格外活動許可は、現在の在留資格で認められた活動以外に、収入を伴う活動や報酬を受ける活動を行うための許可です。
特定活動とは
特定活動は、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を行うための在留資格です。
同じ「特定活動」という在留資格であっても、認められる活動内容は人によって異なります。
そのため、在留カードだけでなく、指定書の内容を確認することが重要です。
たとえば、次のようなものが特定活動として問題になることがあります。
- ワーキングホリデー
- 本邦大学等卒業者に関する特定活動
- インターンシップ
- 医療滞在
- 出国準備
- その他個別事情に基づく活動
特定活動は、就労できる場合もあれば、就労できない場合もあります。
その判断は、指定された活動内容によります。
分類ごとの比較
全体を比較すると、次のようになります。
| 分類 | 主な在留資格 | 就労可否 | 主に確認されること |
|---|---|---|---|
| 就労系 | 技人国、企業内転勤、経営・管理、特定技能など | 認められた範囲で可能 | 仕事内容、本人の経歴、受入機関 |
| 身分系 | 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者 | 一般に制限が少ない | 身分関係、生活実態、定住性 |
| 非就労系 | 留学、家族滞在、文化活動など | 原則不可 | 本来の活動、扶養関係、学業 |
| 特定活動 | ワーキングホリデー、告示特定活動など | 指定内容による | 指定書、活動内容、個別事情 |
この分類を理解すると、自分の状況でどの在留資格が関係するのかを考えやすくなります。
具体的な整理例
たとえば、次のように整理できます。
日本で働きたい
├─ 専門職・オフィスワーク中心
│ └─ 技術・人文知識・国際業務など
├─ 海外関連会社から転勤
│ └─ 企業内転勤
├─ 会社を経営したい
│ └─ 経営・管理
├─ 人手不足分野で働く
│ └─ 特定技能
└─ 日本人・永住者の配偶者など
└─ 身分系在留資格の可能性
日本で家族として暮らしたい
├─ 日本人の配偶者・子
│ └─ 日本人の配偶者等
├─ 永住者の配偶者・子
│ └─ 永住者の配偶者等
└─ 就労者・留学生の扶養家族
└─ 家族滞在
同じ「家族と暮らす」場合でも、日本人の配偶者なのか、永住者の配偶者なのか、就労資格を持つ外国人の扶養家族なのかによって、検討する在留資格が変わります。
よくある誤解
在留資格の分類については、次のような誤解がよくあります。
- 就労系在留資格ならどんな仕事でもできると思っている
- 留学や家族滞在でも自由に働けると思っている
- 日本人と結婚すれば自動的に在留資格が認められると思っている
- 家族であれば誰でも家族滞在で呼べると思っている
- 特定活動なら幅広く何でもできると思っている
- 永住者と定住者の違いを意識していない
在留資格は、名前が似ていても、認められる活動や確認される内容が異なります。
自分の目的と在留資格の内容が合っているかを確認することが重要です。
まとめ
在留資格は、就労系、身分系、非就労系、特定活動に分けて考えると理解しやすくなります。
就労系在留資格では、仕事内容と本人の経歴、受入先の状況が重要です。
身分系在留資格では、婚姻、親子、定住性などの身分関係と生活実態が重要です。
非就労系在留資格では、本来の活動と就労制限に注意が必要です。
特定活動では、指定された活動内容を確認する必要があります。
この分類を理解しておくと、個別の在留資格や申請手続きの記事も読みやすくなります。
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