永住申請は、日本で長く生活していれば当然に許可されるものではありません。
在留年数を満たしていても、収入、納税、年金、健康保険、在留状況、素行、家族状況などに問題がある場合、不許可となる可能性があります。
この記事では、永住申請で不許可になりやすいケースを整理します。
在留年数を満たしていない
永住許可に関するガイドラインでは、原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格または居住資格で5年以上在留していることが示されています。
配偶者や高度人材などの特例に該当しない場合、在留年数が不足していると不許可となる可能性が高くなります。
また、一時的な出国が多い場合や、長期間日本を離れていた場合には、「引き続き在留」といえるかが問題になることがあります。
現在の在留期間が短い
永住申請では、現に有している在留資格について、原則として最長の在留期間で在留していることが求められます。令和9年3月31日までの間は、在留期間3年を有する場合の経過的な取扱いが示されていますが、在留期間1年の場合は注意が必要です。
現在の在留期間が1年の場合には、永住申請の前に、在留期間更新でより長い在留期間を得ることを検討する必要があります。
収入が不安定
永住申請では、安定した生活が見込まれるかが確認されます。
次のような場合には注意が必要です。
- 年収が低い
- 扶養家族が多い
- 転職により収入が下がった
- 休職期間がある
- 自営業の所得が低い
- 赤字事業を続けている
- 収入資料の説明が不十分
ガイドラインでは、独立生計要件として、公共の負担にならず、将来において安定した生活が見込まれることが示されています。
住民税・国税に問題がある
永住申請で特に問題になりやすいのが、税金の未納や納付遅れです。
就労資格からの永住申請では、直近5年分の住民税の課税証明書・納税証明書や、住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料が求められます。
また、国税についても、源泉所得税、申告所得税、消費税、相続税、贈与税に係る納税証明書その3が案内されています。
申請直前に未納を解消しても、期限後納付が消極的に評価される可能性があるため注意が必要です。
年金・健康保険に問題がある
年金や健康保険の未納・遅れも不許可につながりやすいポイントです。
就労資格からの永住申請では、過去2年間に加入した公的年金制度・公的医療保険制度に応じた納付状況資料が必要とされています。
特に注意が必要なのは、次のようなケースです。
- 転職期間中に国民年金が未納になっている
- 国民健康保険料を後からまとめて納めている
- 会社退職後に保険切替えをしていない
- 自営業者として年金・国保の納付が遅れている
- 会社経営者が会社の社会保険料を滞納している
素行に問題がある
永住申請では、素行が善良であることも要件の一つです。
罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと、公的義務を適正に履行していることが国益適合要件の中でも示されています。
注意すべき例としては、次のようなものがあります。
- 重大な交通違反
- 繰り返しの交通違反
- 罰金刑
- 入管法上の届出義務違反
- 資格外活動違反
- 虚偽申請
- 税金・社会保険の不履行
家族関係や扶養関係に不整合がある
家族全員で申請する場合や、扶養家族が多い場合には、家族関係や扶養関係の整合性も重要です。
次のような場合には注意が必要です。
- 実際には扶養していない親族を扶養に入れている
- 海外扶養親族の説明が不十分
- 住民票上の世帯構成と実態が異なる
- 配偶者との別居理由を説明していない
- 子どもの親子関係資料が不足している
永住申請では、収入だけでなく、誰を扶養しているのか、その生活実態がどうなっているのかも確認されます。
よくある注意点
永住申請で不許可になりやすい典型例は、次のとおりです。
- 在留年数が不足している
- 在留期間が1年である
- 収入が不安定である
- 扶養人数に比べて収入が少ない
- 住民税を期限後に納めている
- 国民年金・国民健康保険に未納がある
- 転職・休職・無職期間を説明していない
- 交通違反や罰金歴がある
- 申請内容と実態に違いがある
- 必要書類が不足している
まとめ
永住申請で不許可になりやすい理由は、在留年数不足だけではありません。
特に重要なのは、次の点です。
- 在留年数と現在の在留期間
- 安定した収入
- 住民税・国税の納付状況
- 年金・健康保険の加入・納付状況
- 素行や交通違反
- 家族・扶養関係の整合性
- 申請内容と実態の一致
永住申請を検討する場合には、申請直前に書類をそろえるだけでなく、数年前から納税・年金・健康保険・在留状況を整えておくことが重要です。
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