「行政書士に相談した内容は、どこまで秘密にしてもらえるのだろうか」
「過去に在留資格や入管法上の問題があることを話したら、入管や警察に通報されるのではないか」
「不法滞在の状態で相談した場合、行政書士は依頼者を助けるのではなく、通報する立場なのではないか」
このような不安を持つ方は少なくありません。
、特に、在留資格、国際結婚、退去強制、出国命令、帰化・永住、在留特別許可などの相談では、依頼者の過去の在留状況、家族関係、収入、婚姻関係、違反歴、場合によっては犯罪歴に近い事情まで確認しなければならないことがあります。
相談者にとっては、非常に話しにくい内容です。
しかし、行政書士には、法律上の守秘義務があります。
行政書士は、業務上知り得た依頼者の秘密を、正当な理由なく外部に漏らしてはならないとされています。
そのため、相談者が在留資格や不法滞在に関する問題を打ち明けたからといって、行政書士が直ちに入管や警察へ通報するというものではありません。
一方で、行政書士の守秘義務は、犯罪行為を隠すための制度ではありません。
また、行政書士は違法な手続きや虚偽申請に加担することはできません。
この記事では、行政書士の守秘義務とは何か、不法滞在や在留資格の問題を相談した場合に秘密は守られるのか、守秘義務にはどのような限界があるのか、行政書士がどのような職業倫理に基づいて相談に向き合うのかを解説します。
- 1.行政書士には法律上の守秘義務がある
- 2.補助者や事務職員にも秘密保持が求められる
- 3.不法滞在や入管法上の問題を相談したら通報されるのか
- 4.守秘義務は「違法行為に加担する義務」ではない
- 5.守秘義務には限界がある|生命・身体への切迫した危険がある場合
- 6.無料相談でも秘密は守られるのか
- 7.友人・知人からの相談、会社内での相談ではどう考えるか
- 8.不法滞在者を支援することは、違法行為を助けることなのか
- 9.当事務所の基本的な対応方針
- 9-1.相談内容は原則として外部に漏らしません
- 9-2.適法な手続きに進む方法を一緒に考えます
- 9-3.虚偽申請や違法行為への協力はできません
- 9-4.生命・身体に切迫した危険がある場合は例外的対応を検討します
- 9-5.判断が難しい場合は、個人情報を伏せて慎重に検討します
- 10.相談される方に知っておいていただきたいこと
- 11.まとめ
- 次に読みたい関連記事
- 参考資料・出典
1.行政書士には法律上の守秘義務がある
行政書士法第12条は、行政書士の守秘義務について定めています。
同条では、行政書士は、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならないとされています。行政書士でなくなった後も同様です。
(出典:行政書士法、e-Gov法令検索より)
この守秘義務は、行政書士業務の根幹にあるものです。
依頼者が安心して事実を話すことができなければ、正確な書類作成も、適切な手続きの選択もできません。
特に入管業務では、本人が話しにくい事情ほど、申請の成否や今後の方針に大きく関わることがあります。
たとえば、次のような事情です。
・過去にオーバーステイをしたことがある
・偽造、変造、他人名義、その他不正な旅券で来日したことがある
・過去に在留資格認定証明書が不交付になったことがある
・在留資格変更や更新が不許可になったことがある
・退去強制や出国命令の対象になったことがある
・過去に刑事事件や交通事件がある
・婚姻関係や家族関係に複雑な事情がある
・会社や家族に知られたくない事情がある
これらの事情を隠したまま申請すると、入管記録や提出資料との不整合が生じ、かえって不利になることがあります。
行政書士の守秘義務は、依頼者が真実を話し、適正な手続きに進むための重要な前提です。
2.補助者や事務職員にも秘密保持が求められる
守秘義務は、行政書士本人だけの問題ではありません。
行政書士法には、行政書士又は行政書士法人の使用人その他の従業者についても、正当な理由なく、業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならない旨の規定があります。
(出典:行政書士法、e-Gov法令検索より)
また、日本行政書士会連合会の行政書士職務基本規則第11条でも、行政書士の秘密保持義務に加え、補助者や事務職員等に対しても職務上知り得た秘密を保持させなければならないこと、事件記録の保管・廃棄に際して秘密やプライバシー情報が漏れないよう注意すべきことが定められています。
(出典:行政書士職務基本規則、日本行政書士会連合会ウェブサイトより)
つまり、行政書士事務所で扱う依頼者情報は、事務所全体として慎重に管理されるべきものです。
相談内容、申請書類、戸籍、住民票、在留カード、パスポート、理由書、質問書、収入資料、家族関係資料などは、いずれも個人情報性の高い資料です。
当事務所でも、依頼者の秘密やプライバシーに関わる情報については、必要な範囲でのみ取り扱い、外部に漏れることのないよう慎重に管理する必要があると考えています。
3.不法滞在や入管法上の問題を相談したら通報されるのか
在留資格の相談で特に多い不安が、「不法滞在や過去の違反を話したら、行政書士に通報されるのではないか」というものです。
結論として、行政書士が相談を受けたからといって、原則として、その内容を本人の同意なく入管や警察に通報するものではありません。
たとえば、相談者が次のような事情を打ち明けた場合です。
・在留期限を過ぎてしまった
・以前、日本に不法残留していた
・退去強制を受けたことがある
・出国命令で出国したことがある
・過去の申請で虚偽に近い記載をしてしまった
・短期滞在中の活動に不安がある
・会社や家族には言いにくい在留歴がある
このような事情を聞いたからといって、行政書士が直ちに通報することを基本対応とすれば、相談者は専門家に真実を話せなくなります。
そうなると、適法な手続きに導くことも、在留特別許可申請や出頭申告などの選択肢を検討することも難しくなります。
出入国在留管理庁も、不法滞在で悩んでいる外国人に対し、出入国在留管理官署に出頭して、日本で生活したい理由等を申し述べることを案内しています。引き続き日本国内での生活を希望する場合には、在留特別許可に係るガイドラインを踏まえ、出頭申告したことなどが積極要素として考慮される場合があることも説明されています。
(出典:出頭申告のご案内~不法滞在で悩んでいる外国人の方へ~、出入国在留管理庁ウェブサイトより)
行政書士の役割は、違法状態を隠すことではありません。
相談者が置かれている状況を正確に把握し、出頭申告、在留特別許可申請、出国命令制度、帰国準備など、法令に沿った対応へ導くことです。
4.守秘義務は「違法行為に加担する義務」ではない
行政書士には守秘義務があります。
しかし、それは違法行為や虚偽申請に協力する義務ではありません。
行政書士職務基本規則第14条は、行政書士が違法又は不正な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならないことを定めています。
(出典:行政書士職務基本規則、日本行政書士会連合会ウェブサイトより)
また、行政書士法施行規則でも、行政書士は法令又は依頼の趣旨に反する書類を作成してはならないとされています。
(出典:行政書士法施行規則、e-Gov法令検索より)
したがって、行政書士は、依頼者の秘密を守りながらも、次のような依頼には応じることができません。
・虚偽の理由書を作ってほしい
・実際には同居していないのに同居していることにしてほしい
・偽装結婚の申請を手伝ってほしい
・働いていない会社で就労していることにしてほしい
・過去の退去強制歴や犯罪歴を隠して申請してほしい
・不法残留の状態を隠したまま、別の手続きで何とかしてほしい
・実態のない雇用契約書や会社資料を作ってほしい
このような依頼は、行政書士として受けることができません。
行政書士が守るべきなのは、依頼者の秘密であって、違法行為そのものではありません。
大切なのは、違法状態を隠すことではなく、どのように適法な手続きに戻していくかを考えることです。
5.守秘義務には限界がある|生命・身体への切迫した危険がある場合
行政書士の守秘義務は非常に重要です。
しかし、守秘義務は、どのような場合でも絶対に例外がないというものではありません。
行政書士法第12条にも「正当な事由がある場合でなければ」とされています。
たとえば、次のような場合には、守秘義務の例外が問題になります。
・本人が情報提供に同意した場合
・法令に基づく照会、捜索差押え、裁判上の手続きなどがある場合
・第三者の生命、身体、自由又は重大な財産に対する切迫した危険がある場合
・児童虐待、重大な暴力、放火、殺人予告など、人命に関わる危険が現実化している場合
刑法第37条は、自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為について、一定の場合に罰しない旨を定めています。
(出典:刑法、e-Gov法令検索より)
もちろん、実際にどのような場合に情報提供が許されるかは、個別事情によって慎重に判断されるべきです。
しかし、行政書士の守秘義務は、第三者の生命や身体に重大な危険が迫っている場合まで、何もできないという趣旨ではありません。
たとえば、相談中に「これから人に危害を加える」「建物に火をつける」「子どもに重大な危害が及ぶ」といった切迫した事情が明らかになった場合には、人命や身体の安全を守るため、関係機関への連絡が必要となることがあります。
これは、日常的な在留資格の違反や過去の問題を通報するという話とは、まったく性質が異なります。
6.無料相談でも秘密は守られるのか
「正式に依頼していない無料相談でも、秘密は守られるのか」と不安に思う方もいます。
行政書士法第12条は、「業務上取り扱った事項について知り得た秘密」と定めています。
そのため、正式な契約前であっても、行政書士として相談を受け、業務に関連して知った秘密については、慎重に扱うべきものです。
当事務所では、無料相談であっても、有料相談であっても、正式な受任前であっても、相談者から聞いた個人情報や秘密を軽く扱うことはありません。
特に、在留資格、家族関係、婚姻、離婚、DV、不法残留、退去強制、犯罪歴などに関する相談は、本人にとって非常に重要な情報です。
正式な契約前だからといって、相談内容を第三者に漏らしてよいものではありません。
安心して相談していただくためにも、相談段階から秘密保持を徹底することが重要です。
7.友人・知人からの相談、会社内での相談ではどう考えるか
守秘義務の問題で難しいのが、友人・知人からの相談や、会社内で行政書士の専門知識を期待されて相談を受けるような場面です。
たとえば、次のようなケースです。
・知人から「行政書士だから少し相談に乗ってほしい」と言われた
・会社の外国人社員から、在留資格の相談を受けた
・会社員として勤務しながら、行政書士資格を持っているため相談された
・社内で外国人社員の在留資格サポートを任されている
・正式な行政書士業務ではないが、専門家としての意見を期待された
このような場合には、「その相談がどのような立場で受けられたものなのか」が重要になります。
単なる会社員として、会社の通常業務の中で把握した情報であれば、会社の規程、労務管理、コンプライアンス上の報告義務との関係が問題になります。
一方で、行政書士であることを前提に、会社の中で特別な役割が定められていた場合は、より慎重な検討が必要です。
たとえば、会社から「行政書士の専門知識を活かして外国人従業員の在留資格相談を支援する役割」を任されていた場合、相談する従業員の側から見れば、「行政書士としての専門的立場に基づいて相談している」と受け止めることがあります。
このような場合には、たとえ相談場所が会社内であっても、行政書士としての職業倫理や守秘義務に近い配慮が必要になる可能性があります。
特に、外国人従業員が次のような事情を打ち明ける場合は、非常に慎重です。
・過去の在留資格申請で不許可や不交付があった
・在留期限や活動内容に不安がある
・過去にオーバーステイや退去強制に関わる事情がある
・家族、婚姻、離婚、DVなど会社に知られたくない事情がある
・現在の雇用や評価に影響することを恐れている
相談者が「行政書士だから秘密を守ってくれる」と信頼して話した内容を、そのまま会社の人事評価や上司への報告に回してしまえば、相談者の信頼を大きく損なうことになります。
もちろん、企業には企業としての法令遵守や不法就労防止の責任があります。
そのため、会社員としての立場と行政書士としての専門的立場が重なる場面では、情報の扱いをあいまいにしないことが重要です。
相談を受ける前に、可能であれば次の点を明確にしておくことが望ましいといえます。
・会社の担当者として相談を受けるのか
・行政書士として相談を受けるのか
・相談内容を会社に共有する可能性があるのか
・会社に共有する場合、その範囲はどこまでか
・相談者が秘密として話したい内容をどのように扱うのか
・必要に応じて、外部の行政書士や弁護士に相談した方がよい場面か
この点が曖昧なまま相談が進むと、相談者は「専門家に秘密を話したつもりだったのに、会社に伝わってしまった」と感じる可能性があります。
反対に、会社側から見れば、「会社のコンプライアンス上必要な情報なのに、担当者が抱え込んでしまった」という問題も生じ得ます。
したがって、会社内で在留資格相談を受ける場合には、最初に相談の位置づけを整理することが大切です。
一般の相談者の方にとっても、この点は重要です。
会社内に行政書士資格を持つ人がいる場合でも、その人が会社員として相談を受けているのか、行政書士として独立した立場で相談を受けているのかによって、情報の扱いが変わる可能性があります。
会社に知られたくない事情がある場合には、最初に「この相談内容は会社に共有されますか」「行政書士として秘密を守ってもらえる相談ですか」と確認しておくことも大切です。
在留資格に関する相談では、会社の利益、本人の雇用、本人の在留資格、家族の生活が複雑に関わることがあります。
そのため、会社内で相談しにくい事情がある場合には、外部の行政書士など、会社から独立した専門家に相談することも有効です。
8.不法滞在者を支援することは、違法行為を助けることなのか
「行政書士が不法滞在者の相談を受けるのは、違法行為を助けることではないか」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、これは区別して考える必要があります。
不法滞在の状態を隠すこと、虚偽の書類を作ること、逃亡を助けることは、行政書士として認められません。
一方で、不法滞在の状態にある人に対して、出頭申告、在留特別許可申請、出国命令制度、帰国準備など、法令に沿った手続きを説明し、適正な手続きに導くことは、違法行為への加担ではありません。
出入国在留管理庁は、退去強制事由に該当する外国人を対象とした在留特別許可申請の手続きについて案内しています。
(出典:在留特別許可申請、出入国在留管理庁ウェブサイトより)
また、不法滞在で悩んでいる外国人に対して、出入国在留管理官署へ出頭して事情を申し述べることも案内されています。
(出典:出頭申告のご案内~不法滞在で悩んでいる外国人の方へ~、出入国在留管理庁ウェブサイトより)
行政書士の役割は、違法状態を放置することではありません。
相談者の事情を整理し、入管に対して正確な説明を行い、適法な手続きへ進むことを支援することです。
9.当事務所の基本的な対応方針
当事務所では、相談者の方が安心して事情を話せることが、適切な手続きの出発点だと考えています。
在留資格の問題では、最初からすべてを整理して話せる方ばかりではありません。
過去の在留状況、家族関係、会社との関係、婚姻や離婚、不法残留、退去強制、出国命令、DV、犯罪歴に近い事情など、話しにくい問題が含まれることもあります。
当事務所では、そのような事情についても、まずは落ち着いて事実関係を整理し、どのような手続きが考えられるかを検討します。
9-1.相談内容は原則として外部に漏らしません
在留資格、家族関係、婚姻、離婚、収入、過去の申請歴、不法残留など、相談者から伺った内容は、原則として本人の同意なく外部に漏らしません。
相談者が安心して事実を話せることが、適切な申請や手続きの前提だからです。
会社、家族、知人に知られたくない事情がある場合には、その点も含めてご相談ください。
9-2.適法な手続きに進む方法を一緒に考えます
過去の違反や不法残留がある場合でも、まずは事実関係を整理します。
そのうえで、出頭申告、在留特別許可申請、出国命令制度、再申請、帰国準備など、どのような選択肢があるかを検討します。
重要なのは、過去の問題を隠すことではなく、今後どのように適法な手続きへ進むかです。
9-3.虚偽申請や違法行為への協力はできません
秘密は守りますが、虚偽の書類作成や違法行為への協力はできません。
事実と異なる理由書、実態のない雇用契約書、偽装婚、虚偽の同居資料、架空の職務内容説明書などを作成することはできません。
そのような依頼は、お断りすることになります。
ただし、過去に不利な事情がある場合でも、正直に話していただければ、申請上どのように説明できるかを検討できることがあります。
9-4.生命・身体に切迫した危険がある場合は例外的対応を検討します
第三者の生命や身体に重大な危険が差し迫っている場合には、守秘義務との関係を慎重に判断しながら、必要な対応を検討します。
これは、日常的な在留資格違反を通報するという話ではありません。
人命や身体の安全を守るために、法令上正当化される対応が必要になる場合があるという意味です。
9-5.判断が難しい場合は、個人情報を伏せて慎重に検討します
守秘義務、職業倫理、法令遵守がぶつかるような難しい事案では、安易な判断を避ける必要があります。
必要に応じて、個人情報を伏せた形で、行政書士会、関係専門家、弁護士等に相談し、慎重に対応を検討します。
相談者の秘密を守りながら、法令に沿った適切な対応を選択することを大切にしています。
10.相談される方に知っておいていただきたいこと
在留資格の相談では、話しにくい事情ほど重要になることがあります。
過去の在留歴、不許可、不交付、退去強制、出国命令、犯罪歴や交通事件歴、婚姻、離婚、別居、子ども、扶養関係などは、申請の内容によって重要な確認事項になることがあります。
そのため、相談時には、できる範囲で正確に事情をお話しいただくことが大切です。
もちろん、最初からすべてを整理して話す必要はありません。
分からないことは「分からない」とお伝えいただければ構いません。
必要な資料を確認しながら、一つずつ整理していくことができます。
特に、次のような点は、早めに相談していただくことが重要です。
・過去の在留歴を正確に覚えていない
・過去に不許可、不交付があった
・退去強制や出国命令に関わる事情がある
・不法残留になっている、又はその可能性がある
・犯罪歴や交通事件歴をどう書くべきか分からない
・会社や家族に知られたくない事情がある
・婚姻、離婚、別居、DVなどの事情がある
・申請書にどう書けばよいか分からない
入管には過去の記録があります。
本人が隠していても、申請の過程で分かることがあります。
最初から正確に事情を整理した方が、結果として本人のためになることが多くあります。
行政書士に相談する目的は、過去を責められることではありません。
今後どのように適法な状態へ進めるかを考えることです。
11.まとめ
行政書士には、行政書士法に基づく守秘義務があります。
業務上知り得た依頼者の秘密を、正当な理由なく外部に漏らすことはできません。
そのため、不法滞在、過去の在留資格申請歴、退去強制歴、出国命令歴、家族関係などを相談したからといって、行政書士が直ちに入管や警察へ通報するというものではありません。
しかし、守秘義務は、違法行為を隠すための制度ではありません。
行政書士は、虚偽申請や違法行為に加担することはできません。
重要なのは、秘密を守りながら、相談者を適法な手続きへ導くことです。
この記事のポイントを整理すると、次のとおりです。
・行政書士には法律上の守秘義務がある
・補助者や事務職員にも秘密保持が求められる
・不法滞在や過去の入管法上の問題を相談しただけで、原則として通報されるものではない
・ただし、虚偽申請や違法行為への協力はできない
・生命・身体に切迫した危険がある場合には、守秘義務の例外が問題になる
・無料相談でも、相談内容は慎重に扱われるべきである
・会社内や知人関係での相談では、行政書士として相談を受けているのか、会社員として相談を受けているのかを確認することが重要である
・行政書士であることを前提に社内で相談支援の役割が定められている場合には、職業倫理や守秘義務に近い配慮が必要になる可能性がある
・行政書士の役割は、違法状態を隠すことではなく、適法な手続きへ導くことである
在留資格や不法滞在に関する問題は、一人で抱え込むほど状況が悪くなることがあります。
過去に問題があったとしても、正確に事情を整理し、法令に沿った対応を検討することが大切です。
行政書士は、相談者の秘密を守りながら、適法な手続きに進むための道筋を一緒に考える専門家です。
次に読みたい関連記事
・Ⅴ-19.退去強制と出国命令とは|制度の違い・手続きの流れ・歴史的変遷をわかりやすく解説
退去強制と出国命令の違い、手続きの流れを整理しています。
・Ⅴ-20.令和5年改正後の在留特別許可申請とは|申請制度化と自費出国による再入国禁止期間の短縮
在留特別許可が申請制度化された点や、改正後の実務上の考え方を解説しています。
・Ⅴ-10.不許可理由を入管で確認する際のポイント
不許可・不交付後に、入管で理由を確認する際の注意点を解説しています。
・Ⅰ-23.企業内転勤のCOE申請中に短期滞在で来日する場合の注意点
短期滞在中の活動が不法就労と見られないための注意点を解説しています。
・Coffee Break.外国人雇用と在留資格情報の管理|企業はどこまで個人情報に踏み込むべきか
企業が外国人社員の在留資格情報や個人情報をどこまで把握すべきかを整理しています。
参考資料・出典
・行政書士法 e-Gov法令検索より
・行政書士法施行規則 e-Gov法令検索より
・行政書士職務基本規則 日本行政書士会連合会ウェブサイトより
・刑法 e-Gov法令検索より
・出頭申告のご案内~不法滞在で悩んでいる外国人の方へ~ 出入国在留管理庁ウェブサイトより
・在留特別許可申請 出入国在留管理庁ウェブサイトより
・在留特別許可に係るガイドライン 出入国在留管理庁ウェブサイトより
・出入国管理及び難民認定法 e-Gov法令検索より

